任意売却と自己破産

己破産を検討している人にとって、「任意売却は意味のないこと」のように思われる方が多くあります。

それもそのはずで、自己破産というのは、財産をすべてなくす代わりに債務もすべて帳消しにしてもらう制度なので、不動産を所有していたら処分されてしまうからです。

どうせ不動産を処分されてしまうのでしたら、わざわざ自己破産する前に住宅を処分する任意売却をしなくても、破産手続きした際に管財として、競売にかけられて失ったほうが手間もかからなくてよいと思われているようなのです。

どうせ破産するなら競売でよい??

また、自己破産のルールで、特定の債権者に対して偏ってお金を返済するという「偏頗弁済」をすると自己破産が認められないという話を知っている人が多くて、任意売却は、この「偏頗弁済」に該当していると思われている方が多いようです。

しかし、実はそれは全く真逆のことです。

まず、自己破産をすることを決めていても、任意売却をすることは「偏頗弁済」にはあたりません。 そして、不動産の処分は自己破産の前にするから、同時廃止を利用できるので手間が少なくて済みますし、費用もかなり安くなります。

※ただし、そんなことはありえないので、少し矛盾するようですが、不動産の売却価格が残債よりも大きい場合は、偏頗弁済に該当する可能性があるみたいです。しかしそもそも不動産の売却価格が残債よりも高い場合は任意売却せずに通常の売却をするはずなので、これはほぼ確実に該当しません。

以上のことを踏まえて、基本的に任意売却をするのは、自己破産手続きの前にすべきということができます。

自己破産の前に任意売却すると有利な理由

破産の前に任意売却

先にもお伝えしましたが、自己破産する前に任意売却をすると、手間と経費を安価に済ますことができるようになります。確かに、先に任意売却をすると自己破産の手続きのほかに、任意売却の手続きをしなくてはいけないので、字面的には、手間が増えるように感じるかもしれません。

しかし、実際は、自己破産には2種類の破産方法があり、住宅を持っている場合と持っていない場合とでは、自己破産の種類が変わってくることになります。

自己破産の2つのパターン

自己破産には、次の二つのパターンがあります、

  1. 同時廃止
  2. 管財事件

同時廃止というのは、大きな財産を持たず単に負債を帳消しにするということで、破産と免責が同時に行われるので、同時廃止といいます。一番簡単な破産方法で、費用も非常に安価です。(裁判所で納める金額は裁判所によっても異なりますが、3万円程度です)。したがって、住宅を持っている場合は任意売却したからでないと同時廃止にはなりません。

同時廃止より何倍も大変な管財事件

一方で、管財事件とは住宅などの財産がある場合に、プラスの財産を清算して債務をまんべんなく減らしてから負債を帳消しにする手続きをするときに行われます。破産管財人が任命されて、裁判所に50万円以上の管財費用を予納金として納めなければならない上に、弁護士費用等も多くなります。

当然のことながら、破産廃止までの間に時間もかかれば、さまざまな手間がかかることになります。

以上のことから、任意売却するなら、自己破産する前にしたほうが楽で安価だということができます。また、任意売却が競売よりもメリットがあることについては、別の記事で起債していますので、次の参照記事をご覧ください。

参照記事:任意売却の7つのメリット

連帯保証人への影響

連帯保証人への影響

次に、自己破産する際に注意していただきたいことがあります。

自己破産は借金を返済できない人を救済するために国が設けた制度で、日本国民が等しく利用する権利を有した合法的な借金をチャラ=0にする方法です。

もちろん、一定の条件で破産が認められないなどのケースはないわけではないですが、基本的にはまっとうに生きていれば、自己破産することは国民の権利であり、たまった借金をなくすのに、ほかのすべての方法を差し置いて圧倒的に有利な方法です。

ところが、借金に連帯保証人がいる場合、もし本人が自己破産をしてしまっても保証人は債務から逃れることはありません。それどころか、債権者は期限の利益を喪失して、連帯保証人に対して債務の一括返済を要求することになります。

そうすると場合によってもですが、保証人まで破産しなくてはいけないことになりかねません。また、万が一破産までしなくても、債権者と保証人との間で、リスケと言って支払い期間と条件を変えるような手続きをした場合などでは、保証人は金融ブラックになってしまいます。

自己破産を回避できる可能性がある

以上のことから、借金に保証人がいる場合などでは、極力自己破産をしないようにすることが、人の道ということができると思います。

基本的に住宅ローンなどの不動産担保ローンは、借金の中でもっとも金額が大きな借金になります。したがって任意売却をして、残債を長期の分割返済にリスケすることで、自己破産を回避することができる可能性が出てくるのです。

なので、自己破産する前に、まずは任意売却をして返済を進めることができないか、検討してみることが重要になるのです。

あるいは逆に、住宅を所有したまま自己破産したほうがよいケースもないわけではないので、しっかりと事前に相談しあったうえで、どう対処すべきか検討するのがベストな選択ということができるでしょう。

大神健志大神健志

任意売却は、専門の不動産会社が金融機関に交渉することで、はじめて実現することができるものです。そもそも金融業者が応じてくれなかったらまったく無意味なものなので、間に立つ不動産業者が完全にキーマンになるため、どの業者に頼むかは決定的に重要になります。もしあなたが、任意整理を検討しているのでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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