アパート経営はするな

アパート経営はするな!

そんな意見を言う専門家がいます。

一方で、

アパート経営をしなさい!

こんな風にいう専門家もいます。それぞれが不動産投資やアパート経営、マンション経営の専門家たちです。

各専門家が言うことは実際のところ、お互いに一理あるように感じることで、一概にどちらが間違っているものではありません。

 

では、アパート経営はしたほうがよいのでしょうか?

それともしないほうがよいのでしょうか?

 

大神健志大神健志

業界歴30年以上の不動産投資のプロの意見を聞いて下さい。

アパート経営はするな!一部を除いて…

アパート経営はするな!一部を除いて...

結論からすれば、私は基本的にアパート経営はするな!と多くの方に言っています。

けれども、すべての案件がダメだとは思っていません。過去、アパート経営について絶讃した案件もあるくらいです。また、弊社では何件もアパートの賃貸管理をしていますし、たくさんの成功事例だって作っています。

それでも、基本・アパート経営をするな!と言っています。

ここから、その理由についてお話していきます。ひとつ言えることは、アパート経営という投資法自体の問題というよりは、一歩踏み込んだ別の観点から見ることが必要になるということです。

※アパート経営で失敗する人が多く出ていることについては、こちらで詳しく事情を解説していますので、ご参照下さい。

参照記事:アパート経営が必ず失敗するのはなぜか

結論:案件次第

結論:案件次第

まず、アパート経営だからといって、絶対に儲からない不動産投資なのではないし、必ず儲る投資でもないということにご留意ください。案件によっては「儲かるアパート経営」もある一方で、「儲からないアパート経営」もあるということです。

アパート経営=儲る投資・儲らない投資=どちらでもない!

そして、私が「アパート経営は基本的にはオススメしない」というのは、どちらかこというと、後者の確率(儲らない)のほうが高いから、ということになります。

同じ不動産投資で言えば、分譲区分のマンション経営にしても儲かる場合もあれば、儲からない場合もあります。あるいは、一棟マンションの投資についても、商業用ビルの投資にしても、駐車場にしても、バイク駐車場にしても、すべて同じです。

不動産投資の中の「アパート投資」だから儲かるとか、儲からないということはないのです。

  • 一棟マンション投資
  • 分譲区分のマンション経営
  • 木造アパート投資
  • 商業ビル投資
  • 駐車場経営

これらいずれの種別も、うまくいくケースもあれば、うまくいかないケースもあるのが実情なのです。

大切なことは、どの投資法にするかではなくて、どういう風に考えて取り組むかということになります。さらに詳しく解説していきます。

大神健志大神健志

不動産投資において、「必ず儲る」というものはない。このことを強くお伝えしたいと思います。

投資自体が案件次第

逆に言うと、不動産投資自体が、そもそも儲かるかというと、そうではなくて、儲かる案件=取り組むべき案件もあれば、そうでない案件もあるのです。

これは、世に言う投資はすべて同様に考えることができると思うのです。

アパート経営だから儲かるとか、儲からないからやらないほうがよいとか、そういったふうに考えず、すべての投資について、個別案件毎に検討することが必要になるということになるということです。

その投資大丈夫?

基本的な考え方としては、「その投資」をすることによって、世の中がよくなるのであれば、長期的にみて「その投資」はリターンを大きくもらえることになりますし、世のためにならない投資であれば、ほとんどの場合、損して終わりになってしまうでしょう。

世の中をよくする・役に立つ投資かどうか

それが、原理原則ということができると思います。

あなたのしている投資は、世の役に立っているでしょうか。原理原則にきちんと則したものでしょうか。

この原理原則に則して、さらに深くアパート経営について考えていきます。

アパート経営と特徴

アパート経営と特徴

アパート経営というのは、端的に言うと木造か軽量鉄骨作りの集合住宅を建築するか購入して、それぞれの部屋を賃貸することで収益を得る投資です。空き地を所有している不動産オーナーがアパート建築業者に勧められてスタートするケースが多いです。

マンション経営に比べると建物にかかる費用が小さくなるので、短期的には収益性、利回りが高くなりがちです。

しかし、鉄筋コンクリート作りの建物に比べると耐久性が低く、長期的な運用には向きません。将来的に建て直し等が必要になる可能性が高くなります。また、マンションに比べると当初の家賃が高くならないことが多いのと、家賃の下落率が高いことが特徴です。

また、他の形態の不動産投資と同様に新築と中古があります。

特徴≠利益力

しかし、これはあくまでも特徴にすぎないので、例えば実質利回り15%の中古物件を購入して7年運用して、8年目に売却したら、十分利益はでますので、案件によっては、先に述べたようなアパート経営の特徴は完全無視でも、十分よい投資となりえます。

しかし一方で、購入当初に利回り15%あったのに購入直後、退去者が出て、利回りが下がった上に、全然次の入居者が決まらないといったことも起こりえます。そうなると7年で投資費用を回収する予定だったのが、回収期間が10年、20年と伸びる上に、家賃収入が減るので、売却時の価格が下がることになります。

長期に渡る利回りを考える必要がある

アパート経営が投資に向くか向かないかは別として、収益が上がる案件は確実にあるということだけはお伝えしたいと思います。けれどそれが「アパート経営をすること=収益が上がる」とはならないという点も強調しておきます。

大神健志大神健志

案件によって、取り組むべきものとそうでないものがあるということです。

市場の傾向性から見るアパート経営

市場の傾向性から見るアパート経営

次に、アパート経営をしようと検討している人、あるいはアパート経営を販売している人は、どういった人が多いかという、市場分析的な傾向性から考えてみます。

そうすると、アパート経営を検討している人の圧倒的に多数が、空き地を所有している人であることがわかります。土地を持て余して有効活用できていない人に対して、アパート建築業者が営業しているケースが多いということになります。

このような場合、遊休土地のオーナーとしては、遊休土地を活用することが目的になり、アパート建築業者としては遊休土地に建物を建築することが目的となります。

  • 土地オーナーの目的=土地の活用
  • アパート建築業者の目的=建物の建築

アパート経営の市場自体が、「アパートを経営して、どういうニーズに対してどういう物件を提供して、どんなリターン(利回り)を得るか」という不動産投資本来の目的から外れた目的からスタートすることになります。つまり、ビジネスとしての考え方をすることができない構造にあるということができるということです。

アパート経営でうまくいく原則=入居者のニーズを長期的に満たすこと

その結果、レオパレス問題やサブリース問題が起こっているのが現状ということができます。

参照記事:レオパレス21のサブリース問題

なぜ、アパート経営しなさい!とするな!と両方の意見があるの?

話を一旦元に戻しますと、なぜ、「アパート経営をしなさい!」という意見と「アパート経営はするな!」という意見があるのか、少しずつ見えてきたと思います。

つまり、基本的に「アパート経営をしなさい!」というのは、アパート建築業者さんであることが多いです。アパート建築業者さんはアパートを建築して儲りたいと思っていて、土地を持て余している人に、有効活用する方法を提供したいと思っているわけです。

だから、「アパート経営をしなさい!」というというわけです。

アパート経営をしなさい!という理由=余っている土地にアパートを建てなさい!

一方で、「アパート経営をするな!」と言っている人は、次の意見を持っています。

不動産投資というのは、そもそも「賃貸需要に長期的に応える物件を市場に供給する」ことで、長期的な利回りを得ることを目的としています。

なので、あくまでも不動産投資は、市場における入居者ニーズを汲んだ物件を選定するのが重要であって、「土地が余っているからという理由」でアパートを建てて成功するものではないと思っているわけです。

アパート経営をするな!という理由=アパート経営は余っている土地に建築して有効活用するものではない!

つまり、見ているところが違うのですね。

  • アパートを経営して、余った土地に建物を建て、業者としては売上が上がって満足をする
  • 賃貸ニーズが長期的にあり、競合優位性の高い物件を所有して収益を長く得続ける

この目的の違いが、発言の違いになっているということです。

一番大切なことは何か?

一番大切なこと

アパート経営で失敗する理由という記事で書いたのですが、不動産経営においてもっとも大切なことは、ゴールセッティングです。つまり、誰のために何のためにどうして不動産経営をするのかを明確にすることです。

不動産経営で大切なことはゴールセッティング

アパート経営で成功するためには、その目的を遂げるために、「どこ」で「どんな間取り・内装」で「どんな建物」を建築して、「どう建物を管理・運営」していくかという戦略が必要になります。

ところが、何度も繰り返しになりますが、遊休土地を有効活用するという目的で、「アパートを建築することが目的のアパート建築業者」がアパートを建築すると、当然のことながら、「アパートを建てることが目的」になってしまいます。

結果、アパートに賃貸需要がほとんどなく、想定した家賃を得ることができなかったり、アパートを建てても入居者がつかなかったりすることも起こります。

状況によっては、サブリースでアパート建築業者が賃料を保証してくれるから大丈夫と考える方もいらっしゃると思いますが、家賃収入が得られないアパートの賃料をずっと同額で保証することはほぼ不可能です。

だから、私たちが相談を受けてアドバイスをする時には、アパート経営をするなということが多いということになります。

大神健志大神健志

いずれにせよ、アパート経営を検討されている方はぜひ一度、私たちにお問い合わせ下さい。アメリカ生まれの不動産投資の科学的なシミュレーション技法を使って、あなたが本当にアパート経営をすべきなのか具体的な事例を判断します。しかも、業界歴30年という長期の経験・キャリアとのミックスによって生まれた独自の分析技法を活用できますので、かなり精緻なシミュレーションと判断材料を提供できます。費用は一切かかりませんので、安心してご連絡ください。

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