任意売却は、どのような手続きをしていけばよいのでしょうか?ほとんど日常生活でなじみがなくて、最初は不安に思うことが多いのが任意売却です。
ここでは、具体的な流れを簡単に解説しますので、流れを理解いただけたらと思います。ただし、この流れのすべてをあなたが行うわけではありませんのでご安心ください。
基本的には不動産業者に業務を依頼することで、ほとんどのことを不動産業者が代行していきます。なので、流れの中の各項目についてそれぞれ解説した後に、実際にあなたがするべきことを記載しておきます。
任意売却の9ステップ
- メール・電話によるお問い合わせ
- 面談によるヒアリングと状況確認
- 不動産価格の調査
- 専任媒介契約の締結
- 債権者と任意売却の交渉
- 買主探し・販促活動
- 買主確定・売買契約締結
- 引っ越し準備
- 決済・抵当権抹消・物件引き渡し
上記でまとめた任意売却の9の各項目がそれぞれどんな意味を持つものなのか、解説していきたいと思います。
どのステップがどんな意味を持っているのか簡単にわかりやすくまとめましたので、一読していただいてどのように手続きが進んでいくかをご確認ください。
1.メール・電話によるお問い合わせ
まずは、任意売却を依頼する不動産業者などにメールか電話でお問い合わせください。一刻も早く手続きに移行したい場合は、電話のほうが話が早いです。
メールだと状況をお伝えしたあと返事がきて、面談アポイントを設定するための日時設定でメールを何回か往復させないといけません。
そうすると返事から返事までの間に、それぞれ多少なりとも時間があくので、タイムラグが多く発生して最短ルートで面談できません。
電話だと状況確認からアポイントの日時設定までがその場で完了しますので、一番早く手続きに進むことができるようになります。
2.面談によるヒアリングと状況確認
メールか電話による問い合わせの結果、業者に訪問するか、あるいはどこかで待ち合わせする、自宅に訪問してもらう等で業者と会うことになります。
この時点では、ほとんどの業者でお金がかかりません。任意売却においてお金がかかるのは、不動産が売却された時の仲介手数料であることがほとんどです。
したがって、安心して面談していただいて構いません(悪徳業者の中には、必要以上の金銭を要求してくるところもあるので、注意が必要です)。
※業者は信頼できる業者であることが重要ですので、その業者のHPを見たり、電話の段階である程度様子を見るとよいと思います。
面談の段階では、どこにいくら借りているか等、借り入れの状況や金融機関の情報等が必要になりますし、当然不動産の情報も必要になります。その上でどう対処するのがベストかアドバイスをもらい、最終的に話し合って本当に任意売却するか等含めて、決定することになります。
基本的に用意しておくべきものは、電話かメールの問い合わせ段階できちんとアナウンスしてもらえますが、スピードよく手続きするために、もし聞かれない場合は持参すべき資料について確認してみてください。
※持参すべき資料としては次のようなものがあります。
- ローンの返済表
- 返済状況を確認できる通帳等
- 不動産の情報がわかる謄本等
- 業者の連絡先がわかる情報
- 金融機関からの催告状等
- 競売通知など
3.不動産価格の調査
面談が完了したら、今度は業者が不動産の価格相場を調査します。
主に、レインズ等の業者専用サイトで成約事例をみたり、現在募集がかかっている売り出し価格を分析して行います。
不動産価格については、できるだけ高く売れることが望ましいですが、相場より高いと期限内に売れなくなる可能性がありますので、きちんとした相場を調べてもらうことが重要です。
【参照記事】任意売却の期間や期限はいつ?
また、任意売却の場合はほぼ全額に近い金額を金融業者が持っていくので、相場価格はどちらかというと任意売却交渉の材料として必要になるだけなので、信頼できる業者に任せるとよいと思います。
4.専任媒介契約の締結
価格相場が算出されたら、今度は任意売却するにあたって、専任媒介契約を結ぶことになります。契約といっても、売買を仲介しますよという契約なので、ここでもお金がかかることはありません。
繰り返しになりますが、お金がかかるのは、売買が決まって決済する際で、しかも仲介手数料は売買金額の中から算出されるので、あなたが負担することはありませんので、ご安心ください。
【参照記事】任意売却のメリット
不動産仲介は、専任と一般と専属専任とがありますが、任意売却の場合は、専任契約をする必要がりますので、専任契約を結んでください。(どうして専任なのか、契約の種類の違いについてはここでは説明を割愛します。費用面等では何も変わりませんので、そんなもんだと思っていただけたらと思います。)
5.債権者と任意売却の交渉
専任媒介契約が済むと、今度は業者が金融業者に任意売却の交渉をすることになります。
ここで交渉がうまくいかないと任意売却にはならず、競売へと進むことになります。基本的には、業者は金融業者によって任意売却に応じてくれやすいかどうかわかることが多いので、専任媒介契約時に大体はどうなるか趨勢がわかることになります。
基本的には業者に任せる場面なので、吉報を待ちましょう。
【参照記事】任意売却でスッキリする方法
6.買主探し・販促活動
金融業者の任意売却についての了承を得られたら、今度は不動産業者が買主を探すための販促のステージに入ります。
任意売却の場合は、販売活動は通常の売買活動と同じなので、ここで業者の力が試されます。
任意売却の期間として一般的に与えられる猶予である、3~6カ月の間で売買が決まることが必要です。
この間、販促活動が行われるにつれて、見込み客による内覧が入る可能性があります。内覧は、イメージがかなり大きく左右しますので、できるだけ家をきれいに片づけておくとよいでしょう。
内覧の結果、買主が見つかったら、買主が購入申込書と手付金の支払いをして、正式申し込みとなります。と同時に、住宅ローンの打診もかかり、住宅ローンの審査が通過したら売買が成立する見込みになります。
7.買主確定・売買契約締結
物件の買主が決まったら今度は、売買契約の締結になります。
これも不動産業者がすべて手続きをしてくれます。重要事項説明書と売買契約書を作成して、買主と契約締結しますので、あなたは売り主として契約を締結することになります。
この売買契約時に、引き渡し日が決まることになります。あなたが引っ越せるタイミングを考えて慎重に日にちを決めましょう。
※このタイミングの直前に、不動産業者が金融業者に抵当権抹消の手続きをします。
8.引っ越し準備
売買契約が済むと、契約内容に従って、期日までにあなたは引っ越しをしないといけません。
業者にもよりますが、任意売却の手続きをしてくれた業者が引っ越し先を手配してくれることもありますので、確認してみましょう。
引っ越しは大変な作業になりますので、任意売却の手続きをスタートしたら少しずつ準備をはじめて、引き渡し日が決まったら物件選定と引っ越しを手際よく行うようにしましょう。
9.決済・抵当権抹消・物件引き渡し
引っ越しが完了して、物件が空室になったら、あとは決済期日を待つのみです。
決済日当日は、買主が銀行で金銭消費貸借契約を締結して、銀行からあなたにお金が入り、そのまま金融業者に返済する流れとなります。
その結果を得て、事前に準備していた司法書士さんが、抵当権を抹消して所有権を移転する手続きをします。
これで晴れて、任意売却は終了することになります。あとは軽くなった債務といっしょに新しい生活をスタートさせていくことになります。
あなたのするべきこと
これらの流れのうちであなたがすべきことをピックアップすると次の5ステップだけです。そして、そのうち最初の1.2については、かなり詳しく業者に説明しないといけませんし、信頼できる業者を探さないといけないので、とても大変かもしれません。
しかし、それ以降の手続きについては引っ越し以外は、ほとんど業者が代行してくれるので手間はありません。手慣れた業者に任せて、あなたは新生活に向けての準備を進めることにしましょう。
- メール・電話によるお問い合わせ
- 面談での状況説明と資料の準備
- 専任媒介契約の締結
- 売買契約書への署名捺印
- 引っ越し先選定と引っ越し準備
ここまでご覧になられてお分かりいただけたかもしれませんが、任意売却においては業者選びが極めて重要です。適切な業者を選べるように、私たちもお手伝いさせてもらいますので何か不明な点や迷い事がありましたら、お気軽にお問合せください。
注意!昨今、任意売却を専門に取り扱って、暴利を食らう悪徳業者はびこっているとの情報を得ています。任意売却を検討する際には、そういった業者に騙されないように、慎重に業者選定されることをお勧めします。