空室対策とリフォーム

昔前は空室対策という言葉はあまり聞きませんでしたが、1990年代のバブル崩壊後、入居者の需要が減り、空室を埋めるための空室対策という言葉が出てきました。

空室対策の手段はいくつかあります。賃貸管理会社が積極的に仲介業者に呼びかける、一ヶ月家賃をフリーレントにする、リノベーションやリフォームを行う、家賃を下げる等の方法があります。

今回は空室対策の方法のうちリフォームが効果的かどうかご説明していきます。

空室対策とは?

例えばマンションオーナーが不動産投資をしていて、入居者がつかず空室の場合は家賃収入がオーナーに入ってきません。不動産オーナーは家賃収入が大切な収入源ですので、この空室をなんとか解消しなければいけません。

冒頭でもご説明したように今から30年ほど前のバブルのころは、マンションを建てれば入居者が決まり、入居者づけで特に困ることはありませんでした。

ただ昭和から平成に入り、バブルが崩壊し1997年から日本の消費者物価上昇率がマイナスになり、デフレになってきた中で入居者も財布の紐を締め、どの物件でも住むわけではなく自分好みの部屋を求めるようになりました。

オーナーはただ物件を所有しているだけでは入居者が決まらず、入居者をつけるためにも空室対策をする必要が出てきたのです。

なぜ空室対策でリフォームが必要なのか?

なぜ空室対策でリフォームが必要なのか?

リフォームとは部屋の表層面、例えばクロスを張り替えたり、フローリングを変えたりして古くなった内装の状態から新しくすることを言います。

最近の入居者はニーズが多様化してきています。床が茶色、クロスは白色など、どこにでもあるような物件を入居者は選ばなくなりました。入居者は自分好みの部屋を選ぶようになったのです。

例えば同じエリアにあるA物件とB物件があったとします。それぞれの物件情報を下記の表にまとめました。

 

  A物件 B物件
間取り ワンルーム ワンルーム
立地と環境 駅から10分圏内 駅から10分圏内
部屋の広さ 25㎡ 17㎡
室内 デザインクロス

白基調の清潔感ある内装

広いキッチン 二口コンロ

茶色のフローリング

白のクロス

間取り  独立洗面台 バストイレ別  三点ユニットバス
家賃 5万円 3万円

 

例えば上記条件のA物件とB物件があった場合に、どちらの物件を選ぶ方が多いでしょうか?

もちろん、人それぞれの価値観によって違うのでAが良い、Bが良いと断定することはできませんが、今上記のB物件のようなものは入居者が選ばなくなってきています。

それはなぜかというと、どれだけ家賃が安くても、三点ユニットバスや狭い部屋を入居者が好まなくなってきたからです。バストイレが別々というのは入居者の必須条件になってきました。

例えば女性であれば、家賃が多少高くても、バストイレは別、独立洗面台、内装が白基調のデザイン、清潔感。などニーズが明確になってきました。

入居者は家賃に少しお金を多く払ってでも住まいに質を求めるようになってきているのです。

そして、入居者ニーズに応えるための一つの手段が今回のリフォームになります。

リフォームをする前に

リフォームをする前に、マーケティングを行う必要があります。

なぜリフォームの前にマーケティングをする必要があるかといいますと、ターゲットの入居者を絞り、所有物件の強みを活かし、競合の物件にまけないようにするためです。

マーケティングをせずに、自分好みや何となくリフォームをすると入居者に好まれない物件で的外れとなる場合があります。

賃貸の需要がり、入居者の数が多ければ問題なく決まるとは思いますが、賃貸の需要が減少すれば入居者が少なくなってくるので需要が減ります。

事前にどのような入居者をターゲットにし、自社の強みを活かし、競合物件に勝っていくか、マーケティングをしっかり行ってリフォームをする必要があります。

  1. 顧客➡ターゲットを誰に絞るか?
  2. 強み➡所有物件の強みは何か?
  3. 競合➡競合他社はいないか?

この三点を押さえてマーケティングを行い、リフォームすることです。具体的にご説明します。

ターゲットを誰に絞るか?(顧客)

ターゲットを明確にせず、なんとなくリフォームをしてもうまくいかない場合があります。

賃貸の需要があり、十分な顧客の市場があれば問題あれば需要が多いので顧客から選ばれるとは思いますが、今後は人口減少、住宅の供給過剰により間違いなく、需要と供給のバランスが崩れます。

つまり顧客から選ばれるリフォームをしなければなりません。そのためにも、ターゲットのお客様を誰にするのか?20代男性か、30代女性か?など具体的に属性を考え、入居者の求めている部屋はどんな部屋なのかをしっかり考えることです。

所有物件の強みは何か?(強み)

所有物件の強み

所有している物件には必ず強みがあります。

例えば物件の情報が三点ユニットバス、部屋の広さが20㎡、ワンルームマンション、駅から徒歩5分圏内だとした場合に、入居者から選ばれない三点ユニットバスがあったとしても、強みは立地と環境になります。

この立地と環境の強みを活かして、入居者にアピールすればよいのです。

立地と環境は変えることができない条件ですし、入居者が物件を選ぶ際の条件として優先順位が高いので、非常に強みなります。

周辺に競合物件はないか?(競合)

上記で上げたターゲットを決めて、そして自社の強みを生かして顧客にアプローチをしたとします。しかし、競合物件でまったく同じことをしていれば比較されてしまいます。

最後は価格競争で入居者は家賃が一円でも安い物件の方を選ぶことになります。

ですので、周辺物件の競合物件を調査してこれからリフォームを行うことと、競合物件が同じことをしていないか調査が必要です。

例えば、東京23区内、駅から徒歩10分圏内のワンルームマンションの物件で、20代女性をターゲットにし、部屋の内装全体をピンク調にして、バストイレ別、独立洗面台、キッチンを二口コンロ、家賃は8万円にした場合。競合物件が駅から徒歩5分圏内でその他の条件が全く同じだった場合に、駅近くの競合物件に負けるでしょう。

全く同じ条件の物件が他にあれば、競合物件よりも強い魅力を打ち出していく必要があります。

まとめ

顧客、強み、競合の三点の調査が完璧にできればあとは部屋のデザイン、間取り、内装をどのようにリフォームするかをきめましょう。

あくまでも目的は「空室対策」ですので、自分好みの部屋にするのではなく入居者が求める部屋にリフォームすることが重要です。

リフォームの際の注意

リフォームの際の注意点についてご説明します。

リフォームはクロスを張り替えたり、フローリングを変えたり、内装の表面のみの改装になります。ですので、お部屋の配管などはそのままです。マンションで築年数が30~40年くらいのものだと、排管が古くなり水漏れをする可能性があります。

例えば、古くなった排管から水漏れをして下の階まで届いた場合にはオーナーは損害賠償責任を負わなければなりません。

規模によっては何十万~何百万円とかかる場合がありますので、目に見えない設備の劣化リスクがありますので注意が必要です。

 

なぜ空室なのか?

ここまで空室対策のリフォームについてご説明しましたが、そもそもなぜ空室なのか原因をしっかり考え把握することが非常に重要です。

冒頭でもお話したように、リフォームは空室対策の中の一つの手段でしかありません。

空室の原因を調査した場合に、空室の問題からリフォームをしなくても解消できる場合があります。

空室の原因としては以下のものが挙げられます

  1. 立地と環境が悪い(駅から徒歩20~30分)
  2. 部屋が狭い(13~17㎡)
  3. 間取りが三点ユニットバス
  4. 室内が他物件と同じような感じである(茶色のフローリング、白のクロスなど)
  5. 建物管理が悪い(外観や配管が錆びている)
  6. 賃貸管理会社の対応が入居付けが積極的ではない
  7. 家賃が周辺相場よりも高く、適正価格ではない

上記のような7つの問題点が考えられます。

3、4が空室の原因であればリフォームで解決できるでしょう。ただ、空室の原因が3、4以外の例えば1の立地と環境が悪い(駅から徒歩20分~30分かかる)のであれば対処のしようがありません。

なぜならば、不動産は一度購入すると売却するまでは立地と環境は変えることができないからです。

リフォームをする前に、空室の原因を明確にすることです。

まとめ

ここまで空室とリフォームについてご説明させていただきました。

最後に話しました空室の原因をまずは明確にすることが非常に重要です。

なぜなら、リフォームをする前に空室の原因の本質を明確にすることで対処の仕方が変わるからです。空室の原因からリフォームが空室対策にとって的外れであれば、意味がありません。リフォーム費用も無駄になります。

また、オーナーにとってはリフォームをすることによって将来の設備劣化による修繕リスクがあることもしっかり認識していてください。

 

中野 拓中野 拓

今回は空室対策とリフォームについてご説明しました。今回の内容で空室対策やリフォームについて詳しく知りたい場合はぜひお問合せください。

まずはなぜ空室になっているのかプロのコンサルタントが原因を究明します。