昨今、預金していてもお金が増えない。老後の年金対策として、確定拠出年金があるようだがいろいろあってよくわからない。マイナス金利の影響で、貯蓄保険の返礼率が悪くなった。など資産運用に関する声を聞く機会が増えてきました。
預金であればバブル期は、普通預金が約2%、定期預金が約6%の利率だったので、例えば1,000万円の預金があれば年間20万円、60万円と増えていた。そんな時代もありました。
今は預金しているだけではお金は増えず、将来への経済的な不安は深まるばかりです。
今回はこれから資産運用を行う中で、不動産投資をピックアップし、どのような特徴、メリット・デメリットがあるのか詳しくご説明させていただきます。
不動産投資とは?
不動産投資とは不動産を購入して、その不動産を賃貸に出してその入居者から対価として家賃収入を得ることを言います。
不動産投資はミドルリスク、ミドルリターンといわれ、きちんと物件を選定して、不動産投資を行っていけば長期安定した収入を得ることができます。
ここで数ある資産運用の金融商品の中で比較した際に、不動産投資はどのような特徴がるのか。他の金融商品と比較しながら確認していきます。
今回は数ある金融商品の中で以下のものを例に挙げてご説明していきます。
- 普通預金・定期預金
- 保険
- 投資信託
- 株式投資
それでは一つ一つ特徴を見ていきましょう。
普通預金・定期預金
預金には普通預金と定期預金とありますが、今であれば普通預金の金利は約0.001%、定期預金は約0.01%ほどなので例えば100万円を預けると、年間利息として普通預金10円、定期預金100円となります。微々たる金額です。
預金はお金を増やすというよりは、確実にお金を貯めていく、そしてすぐに引き下ろせたり、流動性という面でメリットがあります。
保険
保険は、少ない月々の掛け金で家族に万が一があった時に経済的な保証をする性質がある金融商品ですが、貯蓄性の商品もあります。
例えば、個人年金積立、養老保険や終身保険などです。
貯蓄保険は商品に加入する際の年齢や払い込み期間、保険料によって変わってきますが、例えば30歳男性、毎月の保険料は18,345円、60歳から10年間、毎年72万円受け取れる個人年金保険に加入している場合、返礼率は約109%になります。
貯蓄性の保険は中長期30~40年で見ると預金をするよりは、利率が高いです。
ただ、一般的に20年未満など短期で解約してしまった場合には元本割れしてしまいますので注意してください。
参照:日本生命個人年金
投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金を運用する専門家が株式や債券などに投資して、その運用実績によって、それぞれの投資家に分配する仕組みの金融商品です。
株式投資は自分で銘柄を選択して、売買のタイミングも自分で選ぶことになりますが、投資信託は月々の掛け金は自分で決めて、運用はプロにまかせることになるので、株の初心者にはやりやすいです。
また、株式投資と比べても少額から始めれます。
株
株式投資とは利益を得るために、企業が発行する株を購入し、そして株価の変動を見ながら売却することです。
株式投資の魅力としては、
- 株価変動による、売却時に利益を得ること
- 株主優待権を受けられること
- 投資先の会社の利益から、配当金を得ることができる
この三つです。
株といえば過去、バブル崩壊やリーマンショックの影響で株価が暴落してかなり損をした人もいます。株価は日本の投資家だけではなく世界の投資家が日本の株を買う・売るという判断一つで株価が上がったり、下がったり変動していきます。
株式投資を始める際は、各会社の業績を把握することも重要ですが、日本経済、世界経済の流れをしっかり把握して、正しい知識を身につけて始めることが重要です。
不動産投資
ここまでいくつか資産運用の商品をご説明しました。では次に本題の不動産投資についてご説明していきます。
不動産投資は冒頭でもお話しましたように、ミドルリスク、ミドルリターンな投資と言われています。
では不動産投資のメリットとデメリットについてご説明します。
不動産投資のメリット
不動産投資のメリットについていくつか挙げていきます。
- 老後の年金対策になる
- 物価上昇に強い
- 相続対策に活用できる
- 少額の資金で始めることができる
- 生命保険の変わりになる
以上の5つについて一つ一つご説明していきます。
老後の年金対策になる。
不動産投資の家賃収入は老後の年金対策になります。
老後を迎えると、定年退職となり体の衰えもあり思うように仕事ができなくなります。今、少子高齢化や日本の借金問題から、将来もらえる年金は少しずつ減少していっています。
今、老後最低必要な生活費は22万円、ゆとりある生活の場合は約35万円といわれています。
(参照:生命保険文化センター )
もし、老後はゆとりある生活をしたい。と思うならば、人それぞれの価値観はありますが、35万円は必要になってきます。
老後ゆとりある生活でしっかりお金の準備をする必要があるならば、老後も働き続けるか、現役で働いている間に老後の貯蓄をするか、老後収入が入ってくる仕組みを作る必要があります。
不動産投資は入居者がついている限り、家賃収入が入ってきます。将来、老後の年金が足りない!働けない!そんな状況になった時にも家賃収入が入ってくるので老後の年金対策になります。
物価上昇に強い
物価が今から10年20年後に今と全く同じ価値かどうかはわかりません。日本銀行は2019年に物価上昇率の目標数値を2%としています。
ではもし、実際に物価上昇率が2019年に2%となった場合に物の価値やお金の価値はどのように変わっていくのでしょうか?
例えば、物価上昇率2%、100万円の物価は➡102万円の価値になっていることになります。
このように物価上昇が起こった際には物価が上がります。でも、預金や現金で持っているお金は価値が変わりません。
つまり、2%で物価上昇となった場合に100万円の物価は102万円の価値になるので、それに合わせて現金も102万円の価値を創造していないと目減りしていることになるのです。
不動産はどうなる?
物価上昇に対する、現金の目減りについてご説明しましたが、本題の不動産の物価はどうなるか?
物価上昇で現金は目減りしていく中、不動産の資産価値は物価上昇に合わせて上がっていきます。
不動産は現物資産で、市場の需要や高まりに合わせて価値が上昇していくのです。
ただ地方の物件で、賃貸の需要が少ない地域は物価上昇があったとしても、資産価値が下がってしまう可能性があるので物件選びは都心部の賃貸の需要がある地域にしましょう。
相続対策に活用できる
相続税というのは、現金・預金や株式、生命保険金、不動産、土地などの資産から、基礎控除や葬儀費用などを差し引いて課税価格を求め、そこから相続税の計算を行います。
現金や預金は時価で評価されるのに対し、不動産は所有している物件の状況によって評価額を抑えることができます。
以下の物件を相続した場合に評価額が下がります
- 賃貸マンションやアパート
- 賃貸用ワンルームマンション
- タワーマンション
- 小規模宅地等の特例を満たす宅地
以上の4点の条件を満たす物件を相続したときに、評価額が下がり相続対策となります。
少額の資金で始めることができる
中古のワンルームマンションは地方では何百万円~、都心部では1,000万円以上の金額になるので購入するとなると多額の資金が必要になります。
不動産投資において、ローンを組むことができれば少額の頭金でスタートすることができます。
例えば1,500万円のワンルームマンションを購入するとなると、頭金を500万円出すとすると、ローンで1,000万円組んで不動産投資を始めることができます。
現金で1,500万円貯金してから不動産を購入するのも良いですが、それでは一人の経済力で貯金していくので時間がかかります。
ローンを組んだ場合、自分自身の返済と入居者からの家賃収入があるので、二つの資金力でローンを返済することになり、貯金して購入するするよりもレバレッジが効いて、早く資産を持つことができます。
生命保険の変わりになる
不動産投資をローンで購入した場合に、団体信用生命保険というのがついています。これは、ローンを組んでいる契約者が万が一亡くなった場合、残りのローンが完済されます。
もし、不動産購入者に万が一があってもローンは完済して、残りの家賃収入は残された家族の収入になります。
まさにこれは生命保険の代わりになるのです。
不動産投資のデメリット
ここまで不動産投資のメリットのご説明をしましたが、不動産投資はメリットばかりではなくデメリットもあります。
次は不動産投資のデメリットについてご説明していきます。
不動産投資のデメリットについて以下に挙げました。
- 空室リスクがある
- 資産価値下落の可能性がある
- 金利上昇のリスク
では一つ一つご説明していきます。
空室リスクがある
不動産投資は空室リスクがあります。物件によっては立地や環境が悪かったり、部屋が狭かったり、賃貸管理会社の客付けが積極的でなかったりすると、入居者がつかず、空室になってしまいます。
空室の間は家賃収入が入ってこないので、もし毎月のローン返済があればその返済を手出ししなければなりません。
不動産を購入する前に、立地と環境、部屋は入居者から選ばれるデザイン、広さ、間取りかどうか、賃貸管理会社の対応入居者づけは積極的かどうか。
事前にしっかり調査をして、空室リスクが極力下げる必要があります。
資産価値下落の可能性がある
不動産は経済の流れと非常に深いつながりがあります。
以下の状況で不動産の資産価値が下落する可能性があります。
- デフレによる物価の減少
- 突如的な経済政策
日本のバブル崩壊の時は、当時銀行が不動産を購入する人にたくさん融資をしていましたが、不動産市場が過熱して当時の大蔵省が融資をストップしたことによって一気に不動産の価格が暴落して、資産価値がジェットコースターのように下落しました。
この時、不動産の価格は必ず値上がりする。値段は下がらない!という土地神話も流れていましたが、バブル崩壊から真っ逆さまに価値は落ち込んでいきました。
また世の中がデフレになっていくと、市場にお金が出回らなくなり、不動産の購入も冷え込みます。
不動産の資産価値は金融市場や需要と供給と大きく関わっているのです。
金利上昇のリスク
不動産のローンを変動金利で組んでいる方は金利上昇のリスクがあります。
不動産を現金で購入している方は関係ありませんが、ローンを変動金利で組んでいる方は金利が上昇した際にローン返済額が上がる可能性があります。
変動金利は年に2回金利の見直しがあります。その金利の見直しで返済額が変わるわけではなく、返済額の見直しは5年に一回です。
金利上昇のリスクはありますが、今はマイナス金利の影響もあり低金利時代で、ローンを組んで不動産を購入するにはとても良い時代です。
だからこそ、金利が上昇した際のことも想定して毎月の返済額を考えることが重要になります。
まとめ
ここまで資産運用の金融商品と、不動産投資について比較して説明してきました。
不動産投資には他の金融商品とは違う、メリット・デメリットがあります。不動産投資が決定的に違うのは現物資産ということです。
預金や保険、株は解約すれば比較的早くお金に変えることができます。ですが不動産はすぐには現金化することができません。また不動産は一度購入すると売却するまで二度と動かすことができません。
不動産を購入する際の入り口でどれだけ調査して、メリットデメリットを把握することが非常に重要なのです。
不動産を購入する前に以下の点をしっかり考えることをおススメします。
- 立地や環境を考え、将来的に賃貸の需要があるかどうかを判断する
- 専有面積や間取り、室内は入居者ニーズに合っているかを考える
- 建物管理会社がどのような管理を行っているかを事前に確認する
- 将来に渡って、ランニングコストはいくらくらいかかるのかを把握しておく
- 年間の税金はいくらくらいかかるのかを把握しておく
- 賃貸管理会社をどこにまかせるかを調べておく
- なぜ不動産投資をするのか自分自身の目的を明確にする
上記の点をしっかり押さえておけば、不動産投資で成功する確率は限りなく上がります。
不動産投資は物件を購入する前の事前準備と、購入してからの経営が非常に重要です。
資産運用の目的をはっきりさせる
今回は資産運用の金融商品と不動産投資についてご説明しましたが、まずはあなたの資産運用における目的・目標を明確にすることが最も重要です。
なぜ資産運用をするのか?誰のためにするのか?将来の年金対策のためにするか?短期的に資産を増やしたいのか?
例えば老後、ゆとりある生活、年に一回は世界旅行に行きたい。仕事は一切せずにゆっくり過ごしたい。など目的があれば、そのために必要な金額はどれくらいか?
まずあなたの目的と目標を明確にすることで、どの金融商品に投資すればよいかはっきりしてきます。何となく投資信託をする、株をする不動産投資をする。このような気持ちで始めるとほとんどは失敗します。
しっかり自分の考えと意見と目的をもって始めることが重要です。
今回は資産運用における、不動産投資の在り方についてご説明しました。
繰り返しになりますが、不動産投資は事前準備、特になぜ不動産投資をするのか目的が非常に重要です。
事前準備をしっかり行って、不動産投資で成功することを祈ります。もし今回の内容で詳細な内容をお聞きになりたい場合はお気軽にお問い合わせください。プロの不動産投資コンサルタントが成功する方法を無料でお教えいたします。