アパート経営にしても、マンション経営にしても、多くの方が購入前に必ず気にする「空室リスク」。不動産経営に関わる人にとっては、絶対に避けては通れない課題です。
逆に言うと、空室リスクさえコントロールすることができれば、不動産経営はもう成功したのと同じです。
しっかりと空室リスクをリスクとしてとらえつつ、健全に対処していくことが大切ということができるでしょう。
そんな空室リスクへのヘッジとしてよく聞かれる方法が、サブリースという制度です。
※サブリースの基本的な内容について知りたい方は、以下の記事を参照ください。
参照記事:
サブリースとは?
サブリースとは賃貸管理会社が借り手となって、オーナーに賃料を支払う賃貸管理の形式を言います。別名、「家賃保証」と言ったり、「借り上げ契約」と言ったりします。
サブリースは、該当物件の妥当な賃料の70〜80%程度の賃料で、その部屋を借りることで、万が一空室になっても家賃が振り込まれる制度です。安定を求めるオーナーさまには非常に人気のシステムで、利用している人も多いです。
アパート経営の推進業者である大手企業でもメイン商品として売れています。
一見、メリットの大きなサブリース
確かによく考えてみると、サブリースは賃貸管理業者にしても、オーナーさんにしても、それぞれにメリットがある方式です。
1,大家さんとしては、不動産経営においてもっとも大きなリスクである空室リスクを回避することができます。
2,賃貸管理業者としては、空室リスクは取らないといけないけれど、そのリスクさえ冒せば、正式な賃料とサブリース賃料の差額を収益として得ることができます。(逆にリスクも含めた適正料金でサブリース物件を増やせば、論理上損することはありません。)
仮に、賃料相場の70%で借り上げたとして、100%で賃貸しできたとしたら、家賃の30%が粗利となります。そうすると、仮に2年間同じ人が入居したとすると、30%×24ヶ月=720%、つまり7ヶ月の空室に耐えるくらいの収益を得ることができます。
賃貸管理業者としては、確かにリスクは取りたくないでしょうが、安定した収益源としてサブリースは非常によいシステムということができます。
サブリースの4つの注意点
このように、サブリースは一見オーナーさんと賃貸管理業者とそれぞれにメリットがお大きいように感じる制度ですが、それでもやはりデメリットもあれば、注意すべき点もあります。
まずは、サブリースの注意点から見ていくことにしましょう。
- サブリースの借り上げ賃金は、変動する可能性がある
- 原状回復の仕組みは、通常と変わらないことがほとんど
- 当初賃料発生までに1〜3ヶ月の猶予(免責)期間がある
- 賃借人は管理会社で、股貸しされる仕組み
サブリースには、大きくわけて上記の通り4つの注意すべき点があります。
まず、サブリースはずっと同じ金額で借り上げてくれると思っているオーナーさんが多いようですが、実は違います。詳しくはサービス提供会社との契約内容によって違いますので、ご確認頂きたいですが、経年とともに借り上げ家賃は下がることがほとんどです。
また、サブリースは賃貸管理会社が賃借り人で、賃貸管理会社を貸し主として転貸することで管理会社は家賃を得ます。しかし、退去時の原状回復に伴うオーナー負担分の費用は、ほとんどの賃貸管理業者が提供するサービスにおいて「オーナー負担」になります。
さらに、サブリースの契約から初回家賃の振込までの間、1〜3ヶ月くらい時間がかかるように、免責期間が設定されていることがほとんどです。
以上の背景から、確かにサブリースというのは大家さんにしたら空室リスクを取らなくてもよいですが、収益性を極めて下げるので、不動産経営の投資の意義自体も大きく損なう可能性さえありますので、ご注意ください。
それでもなお、サブリースにして、空室リスクを抑えたい方は、サービス申し込み前にしっかりと内容を確認した上で、契約書もきちんと詳細に確認して契約されることをおすすめします。
サブリースのデメリット
最後にサブリースのデメリットについてですが、概ね以下の点があります。
- 実質受け取り家賃が低下する
- 賃貸管理会社が倒産するリスクがある
- 賃貸管理会社が倒産すると家賃が貸し倒れする
- 将来的にサブリース金額が変わる可能性もある
簡単に補足しておきますと、上記4つのデメリットは主に賃貸管理会社に完全に依存することによるものです。まず、実勢の家賃とサブリースの金額の差額が賃貸管理会社の収益になり、リスクもそこに含まれるので、当然のことながら受け取る家賃が下がります。更新料なども全部入ってきません。
逆に言うと、賃貸管理会社はサブリースをすることで、オーナーのリスクを背負うことになるので、倒産のリスクが増します。そして、万が一サブリースをしている賃貸管理会社が倒産すると、家賃は支払われないことになり、実際の賃借人は賃貸管理会社に払うけれど、賃貸管理会社が支払わず破産して免責されるので、何ヶ月かは家賃を泣き寝入りせずにはいられなくなります。
また、契約書に明記されなくても、サブリース金額は経年で下落する可能性もあるので、安定しているとはいえ、完全にメリットの大きな制度ではないということができます。
サブリースのメリット
ここまでお読み頂けたらわかると思いますが、私たちは基本的にサブリースをオススメしません。自分たちでサブリースしてリスクを背負うのもあまり好きではないですし、何よりもオーナーさんのメリットを自分たちの利益にするのがよいとは思えないのです。
なのですが、例えば超安定志向で、リスクをできるだけ排除して不安感なく投資したいという方にはサブリースはオススメできます。そういう意味で、メリットは次の通りということができます。
- 賃貸管理会社が倒産しない限り家賃が安定的に入ってくる安心感がある
以上、サブリースについて解説しました。
- 今サブリース契約している人
- 今サブリース契約を検討している人
こんな方で、不安を抱えている方はぜひ一度、ご相談ください。完全に無料でセカンドオピニオンサービスをお受け頂くことが可能です。

私たちは、基本的にサブリースをオススメしませんが、どうしてもという場合には、最大のメリットを与える提案をします。また、他業者さんの細かな契約内容も確認するサービスをしているので、お気軽にお問い合わせください。