今、社会問題にもなってきているシェハウス投資の問題があります。それが今回記事としてあげる、シェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題です。
早速ですが、今世の中で、シェアハウス投資のことでどういったことが起きているのか?について、今回はシェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題を深堀してご説明していこうと思います。
シェアハウス「かぼちゃの馬車」って何?
まずは冒頭でご説明しました、シェアハウス「かぼちゃの馬車」について運営母体や会社概要、そもそもシェアハウス「かぼちゃの馬車」とは何なのか?何が今回問題になっていて、誰が被害を受けたのか?などについて全体像をご説明していこうと思います。
シェハウス「かぼちゃの馬車」
シェアハウス「かぼちゃの馬車」とは、スマートデイズ(旧:スマートライフ)が運営する女性専用シェアハウスのブランド名です。
スマートデイズは設立が2012年で、元々は社名がスマートライフで2017年にスマートデイズに社名が変わりました。
事業は、不動産の売買・仲介、賃貸管理、建築事業などを行っている会社です。
では今回、シェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題で何が起こっているのか?全体像をご説明していこうと思います。
シェアハウス「かぼちゃの馬車」の全体像
スマートデイズの今回のビジネスモデルとしては、年収600~1,000万円以上の上場会社の会社員や経営者をターゲットに、将来への年金の変わり、不動産投資による資産運用としてシェアハウス投資を勧めるものです。
シェアハウス投資の内容は、オーナーがスマートデイズから土地代・建築費も含めて1億~2億円するシェアハウスの物件を購入し、そのオーナーが購入した物件をスマートデイズが借り上げ、サブリース賃料をオーナーに支払うというものです。(参考:サブリース仕組み)
もちろんサブリースなので、空室だろうと満室だろうとサブリース賃料が毎月オーナーに支払われる。
シェアハウスは女性専用で、入居者は女性に限られます。
ここで少し変わっているのが、女性の入居者にスマートデイズが仕事を紹介し、その紹介料として、利益が上がるところである。
つまりこのビジネスモデルは、入居者と仕事の紹介が決まれば、家賃と紹介料の二つの利益を上げることが出来るのです。ただここで、重要になってくるのが、この入居者が付くことなのです。
入居者がいない、、、
上記でもご説明したように、スマートデイズのビジネスモデルは入居者がいれば、入居者からの家賃そして更に仕事の紹介が決まれば、紹介料と二つの利益が得れるわけですが、今回の大きな問題の一つは入居者が付かないということにあります。
2016年の1月には入居率57.4%、2017年1月に34.0%、2018年1月には46.3%とこの数値を見てもわかる通り、明らかに低い入居率です。
入居者が付かなければ、もちろん家賃は入ってこない。そしてもちろん、入居者がいないので紹介料が発生することもありません。
ではどこから売り上げを上げていったのか?それは、新規オーナーへのシェアハウスの販売からなのです。
シェアハウスの新規販売
売り上げが上がらなければ、利益も残らず、既存のオーナーにサブリース賃料を支払うことが出来なくなります。
スマートデイズはこの低い入居率からどこでカバーしたのか?それは、新規のシェアハウスの販売、販売、販売です。
新規のシェアハウスの販売を続けることにより、新規オーナーから利益を上げ、その利益から既存オーナーへのサブリース賃料を支払っていたのです。
ここで、低い入居率から利益が上がらないことの補填として、何とか既存オーナーへサブリース賃料の支払いをすることはできていたのです。ですが、最悪の事態は刻々と近づいていました。
サブリース賃料の支払い停止
2018年1月ついに、サブリース賃料が支払えないとの発表がスマートデイズからありました。
シェアハウスの既存オーナーは本当にパニックだったと思います。
ここでのサブリース賃料が支払えなくなった大きな原因は金融機関からの融資の停止です。
ここまで新規シェアハウスの販売で利益を上げ、何とかサブリース賃料を既存オーナー支払うことが出来ていましたが、2017年の10月に金融機関からの新規シェアハウスの販売への融資がストップし、スマートデイズの資金繰りがさらに悪化していったのです。
入居者が付かない、新規シェアハウスの販売から利益は上がらない。まさに利益を上げるところがほとんど無くなってきたわけです。それは、資金繰りも悪くなります。
そして、最終的にはサブリース賃料をオーナーに払うことが出来ず、オーナーは高額のローンの支払い、自己破産の危機、最悪の事態となったわけです。
シェアハウス「かぼちゃの馬車」問題について整理
ここまで、シェアハウス「かぼちゃの馬車」について全体像と問題の概要についてご説明しましたが、少し整理をして、今回の件についてまとめていきます。
シェアハウスそのものがダメではない
今回のシェアハウスの問題から、一見するとシェアハウスが駄目なのではないか?そう捉える方も中にはいると思いますし、これから「シェアハウス投資は危険」という風潮になるのはおそらく避けられません。
でもシェアハウスすべてが悪いわけではなく、ここで問題なのは、シェアハウスの住む入居者のことを全く考えず、利益重視に経営を行っていった、スマートデイズに問題があるわけです。
シェアハウスを運営する会社の中には、入居者が住みやすいように、共有スペースを充実させたり、清掃をしっかり行い清潔感のある空間を提供したり、お客様満足度を追求して運営している会社も中にはあります。
今回のスマートデイズの提供していたシェアハウスは、清掃が行われていても、入居者の髪の毛が床に散らばっていたり、部屋と部屋の壁が薄く隣の声が丸聞こえだったり、キッチンにゴミが放置されていたりと、完全に入居者の満足度が低い状態になっていました。
ですので、きちんと清掃がしっかりされていて、入居者が住みやすい、入居者同士の交流もしやすい、そんなしっかりシェアハウスを提供している会社もあります。
サブリース事業そのものが悪いわけでもない
今回の問題で、最終的にはサブリース賃料の支払い停止が最後、オーナーのローン支払い、自己破産と、オーナーに大きな問題が降りかかっています。
ですがここで、サブリース事業そのものが悪いわけではなく、スマートデイズのサブリースのやり方に問題があったのです。
シェアハウスの入居率が40%台と低い入居率の中、オーナーには表面利回り8%保証とうたっており、結果として利益よりも既存オーナーに支払うサブリース賃料の方が多くなり、逆ザヤとなったのです。
サブリースというのは本来オーナーにとって、空室のリスクをサブリース会社が負い決まったサブリース賃料が毎月収入として得られるという側面から、オーナーにとってみるとサブリース事業そのものが悪いわけでもないのです。
ただ、今回のシェアハウスの問題では、入居率が低く肝心の入居者からの家賃収入を得ることが出来なかった。というところに問題あるのです。
一番の問題はスマートデイズの理念無き金儲け主義
今回のシェアハウス「かぼちゃの馬車」の話の中で、一番の問題なのはスマートデイズの理念無き金儲け主義、つまり入居者、オーナーのことを全く考えていない、利益を最も重要視した経営をしていたことにあります。
入居者にとっては、上記で上げたように、部屋の壁が薄い、清掃がきちんとされていない、立地が悪い。等の入居者のことを全く考えていないことにあり、オーナーの目線で考えると、スマートデイズが提供する土地代・建築費を含めたシェアハウスの価格が原価に大きく利益を載せて高額で販売し、さらに融資で金利3.5~4.5%と高金利でローンを組んでいたことにあります。
まさに、利益主義、入居者とオーナーにとってどうなのか?という目線が完全に抜けています。
入居者・オーナーの利益、そして最後に会社の利益
今回はスマートデイズのシェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題について取り上げ、記事を書かせていただきました。
我々が最も重要視するのは、入居者・オーナー・会社、この三方が良くなることです。
まず、どんな時代でも入居者に選ばれるような物件の選択をし、入居者の高い入居率・長期間の入居率そして家賃の向上により、物件のオーナーへ家賃収入のという形で20年30年それ以上と、長期間の安定した収益を上げていただき、人生の向上に貢献していくことです。
そして、入居者には入居者が求める物件、オーナーへは長期的な家賃収入という形で貢献し、その結果として会社に利益が入ってくること。この「お客様が求めるものに応えること」が本質であり、その結果として会社に利益がもたらされるのです。
今回のシェアハウスの問題では全くの逆です。
会社が利益を上げることを一番として、入居者とオーナーの利益や満足度を考えない。その結果として資金繰りの悪化、サブリース賃料の支払い停止となるのです。
今回は今、社会問題にもなっているシェアハウス「かぼちゃの馬車」についての記事を書かせていただきました。
今回の記事を見て、詳しく詳細を知りたいまた、シェアハウス投資のことで困っている。という方はお気軽にお問い合わせください。