「不動産投資は物件選びが重要である。特に立地環境は変えることができないため、最優先される。」
不動産投資に興味を持っている方であれば、この概念はなんとなく理解できるのではないでしょうか。
そうです。
不動産投資は物件選び特に立地環境が極めて重要になります。
不動産投資で成功するもしないも立地環境で80%が決まる、と言っても過言ではありません。
どんなに建物が綺麗で、どんなに部屋の内装が良い物件でも、立地環境が悪ければ、苦戦を強いられます。
成功する不動産投資の立地環境選びの重要さを踏まえた上で、物件選びの5つのポイントについて説明していきますので、最後までご確認ください。
立地環境が重要だと言われるワケ
不動産投資で立地環境が重要だとよく言われますが、それはなぜなのでしょうか?
理由は、物件の立地環境が良いか悪いかで入居者に選ばれるためのもっとも重要なポイントだからです。
入居者に選ばれる物件は、家賃収入が継続してオーナーに入り、収益性も安定します。
例えば、駅から徒歩5分圏内、物件の周辺にコンビニや商店街があったり、緑が多く落ち着いた雰囲気で立地環境が良ければ、賃貸需要が見込める物件だと判断できます。
一方、駅から歩いて20分以上もかかったり、物件周辺にコンビニや商店街がなかったり、道幅や歩道が狭かったり、生活しにくい雰囲気で立地環境が悪ければ、賃貸需要が見込めない物件だと判断できます。
また、そもそも賃貸不動産を選ぶ場合、まずは「場所」から選びます。どれだけ条件に合う物件があったとしても、場所が違えば絶対に借りません。だから、まずは立地環境が重要なのです。
例えば、渋谷に住みたい人が、浅草でよい物件があるからって浅草で物件を探しますか?大阪に勤めている人が、仙台で家を探しますか?
そういうことです。
物件購入後は立地環境の条件変更不可
不動産は、物件を購入すると、立地環境は変えられません。
室内の設備や内装、建物の外観や内観などは仮に条件が悪かった場合は、後からリフォームやリノベーション、建物の清掃や修繕をすることで改善出来ます。
しかし、不動産は立地環境を変更できないので、購入時に立地環境の選択を誤ると、空室率が上がったり、家賃がすぐ下落したり、ずっと悪条件と付き合わざるを得なくなります。また運用だけでなく、当然売却もしにくくなるのです。
良い立地環境と悪い立地環境の違いは?
では、不動産投資において、「良い立地環境」「悪い立地環境」とは一体何でしょうか。違いを解説していきます。
良い立地環境
良い立地環境は一言でいうと「入居者が付きやすい」場所です。
賃貸ポータルサイト、CHINTAI情報局のアンケート結果によると、20代~30代の男女67%は駅から10分以内の物件に住みたい。と調査結果にありました。
やはり、駅から近い物件は人気が高いようです。
※参考データ:CHINTAI情報局のアンケート結果
特に毎日、電車通勤していて単身の忙しい会社員の方であれば、会社近くの最寄駅まで電車一本で行ける沿線沿い、駅近物件なんかは多少家賃が高くても入居を決めたりします。
以下に良い立地環境の条件を示しました。
- 人口が増えることが想定されるエリア
- 駅から徒歩近い
- 物件近くに、コンビニやスーパーがある
- 病院や薬局がある
- 飲食店や商店街がある
- 道幅が広かったり、緑が多かったり、人通りが少なく落ち着いて生活が出来る
悪い立地環境
一方、悪い立地環境とは「入居者が付きにくい」場所です。
駅から歩いて、20分以上もかかったり、物件周辺の治安が悪かったり、コンビニやスーパーが無く利便性が悪かったりする物件は、入居者が付きにくいです。
以下、悪い立地環境の条件を示しました。
- 駅から遠い
- 物件近くにコンビニやスーパーなどが無く、不便である
- 物件周辺で騒音がしたりする
- 道幅が狭いなど、生活感が窮屈である
- 人通りが多く、落ち着いて生活が出来ない
- 線路や幹線道路が近い
どの立地環境エリアが人気があるか?
2017年のマイナビ賃貸の東京に住む、300人に「実際に住むならどのエリアを選ぶか?」のアンケート調査によると、1位~3位は以下のような結果になりました。
1位:世田谷区
2位:港区
2位:杉並区
引用元:マイナビ賃貸アンケート調査
1位が世田谷区で、2位が同じ順位の港区・杉並区となりました。
世田谷区を選んだ理由は、
- 住宅街に住みたいから。世田谷区は公園や森林が多いイメージだから
- 静かに優雅に暮らせそうだから
- 現在住んでいて、都心へのアクセスが良いのに、緑が多く非常に住みやすいから
- 近隣にスーパーや病院やオシャレなカフェがあるから
等の理由から、世田谷区を選んだ方が多いようです。
アンケート調査結果にある世田谷区の立地環境は、賃貸需要も多く見込めそうです。
築10年中古マンションのリセールバリューが最も高かった駅は「馬喰横山駅」
2017年に東京カンテイが調査した、築10年中古マンションのリセールバリュー、首都圏についての調査・分析結果によると、
リセールバリューが最も高かった駅は東京都中央区、都営地下鉄新宿線の「馬喰横山駅」で155.2%となっていました。
新築分譲時のマンション価格から比べて、築10年経過し、5割以上も価格が上昇していることになります。
物件価格が上昇した背景は、職住近接エリアに対する居住ニーズや、都心部へのアクセスが良いことから、「馬喰横山駅」の立地環境の価値が高まったことがあるそうです。
※リセールバリューとは、新築分譲時の価格と、築10年経過した中古マンションの価格維持率のことです。
このように、立地環境の条件が良いと、所有している不動産の価値もが高まっていく可能性もあります。
立地環境が良い物件の実例
立地環境が良いことによって、入居者が継続的についた弊社の実例をご紹介します。
物件は東京23区内の、駅から徒歩6分の物件です。
渋谷駅まで一駅と、都心へのアクセス条件も良く、23区内の中でも城南の相当よい人気のエリアの物件になります。
物件条件 | 評価 | |
物件 | 中古ワンルームマンション | |
物件エリア | 東京23区内 | |
築年数 | 35年 | |
立地環境 | 駅から徒歩6分 | ◎ |
建物管理 | 建物管理状態良好 | 〇 |
専有面積 | 13.51㎡ | ✖ |
室内の差別化 | 内装デザイン、設備状況 | ✖ |
部屋の内装は差別化されている点はなく、専有面積は13.51㎡の狭小マンションです。しかし、都心部へのアクセス、駅から徒歩6分という立地環境の良さから、30年間同じ入居者が住んでいました。
今は、リノベーションを実施し、家賃もアップし、リノベーション工事完成前にご契約をいただきました。
今回は一例をご紹介しましたが、以上のように、立地環境が良ければ、その他の部屋の内装や室内設備が仮に整っていなくても、十分入居者に選ばれることが可能になります。
また、リフォーム・リノベーションを実施したり、建物の管理状態を良好に保ったりすれば、更に賃貸需要が見込める物件に生まれ変わらせることが出来ます。
立地環境の重要さを踏まえて物件選び5つのポイント
ここまで解説した立地環境が重要であることを踏まえて、ここからは不動産投資における物件選び5つのポイントについて解説していきます。
不動産投資の物件選びで重要な7つのポイント
- 不動産投資の物件種類を知る
- 不動産投資成功の5つの条件を知る
- 利回りと物件価格を知る
- 新耐震基準の物件を選ぶ
- 室内・建物の修繕履歴を確認する
それぞれ簡単に解説していきます。
1.不動産投資の物件種類を知る
不動産投資の物件種類はさまざまありますが、まずは代表的な3つの物件を紹介します。
- 区分マンション
- 一棟マンション
- 一棟アパート
1.区分マンション
区分マンション投資はマンションの一室を購入し、人に貸して家賃収入を得ていくことです。
区分マンションは、単身世帯が比較的住むワンルームタイプと夫婦世帯が住むファミリータイプがあります。
ワンルームマンション
ワンルームマンションの専有面積は、18~30㎡くらいの広さになっています。
間取りは、1Rや1Kのタイプが主になります。
ワンルームマンションは単身世帯が多く住むため、物件を決めるのが早かったり、部屋がファミリータイプと比較して、狭いという点から
- 空室期間が短い
- リフォーム期間が短い
- リフォーム費用が安い
といった特徴があります。
ファミリーマンション
ファミリーマンションの専有面積は、約60㎡以上、の広さになっています。
ファミリーマンションは、物件を決める意思決定者が複数いたり、部屋が広いことから、
- 空室期間が長い
- リフォーム期間が長い
- リフォーム費用が高い
といった特徴があります。
2.一棟マンション
一棟マンション投資は、一棟マンションを所有し、全室を貸し出して入居者から家賃収入を得ていく投資です。
一棟マンションは、管理する部屋が多くなったり、投資額が数千万円~数億円単位になり、投資規模が大きくなります。
区分ワンルーム1室だけの不動産投資では、空室となれば家賃収入が入ってきませんが、一棟マンションは部屋が複数あるので、空室リスクを分散できます。
3.一棟アパート
一棟アパート投資は、一棟アパートを所有し、全室を入居者に貸し出して家賃収入を得ていく投資です。
一棟アパートは2階か3階建てまでの共同住宅になります。
一棟アパートと一棟マンションの価格を比較すると、地域やエリアにもよりますが、一棟アパートの方が価格が安い傾向にあります。
また、一棟マンションと比較して、一棟アパートは耐火性・耐震性、遮音性が低くなります。
新築物件・中古物件
そして、各物件ごとで新築物件・中古物件があります。
新築物件は、設備が新しく、新築から物件を所有できるので長期的に家賃収入を得れるメリットがあります。
一方、中古物件は新築物件と比べて物件価格が安く、利回りが高く取れる点がメリットです。
これらの組合せのうち、どういう物件を選べばよいかは、こちらの記事で解説していますのでご確認ください。
参照:資産運用といえば不動産投資!その中でも東京・中古・ワンルームがベストである本当の理由
2.不動産投資成功の5つの条件を知る
不動産投資の物件選びで確実に押さえておくべきポイントが5つあります。
- 立地環境
- 建物管理
- 専有面積
- 室内の差別化
- 賃貸管理会社
※今回は概要説明に留めますので、詳しくは以下の記事を参照ください。
参照記事:
1.~5.の条件の中でも、特に1.立地環境と2.建物管理の条件を押さえることが重要です。
入居者は物件を選ぶ際にまず最初に、立地環境の条件で選定をします。
入居者に選ばれるためには、良い立地環境であることが重要になります。
不動産投資成功の5つの条件をしっかり押さえて、物件選びをすれば、入り口で大きくずれることはありません。
3.利回りと物件価格を知る
利回りは不動産投資の投資効率を測る指標です。
投資物件の利回りを見れば、投資した資金に対して、どれくらい利益を上げることが出来るか?投資物件を選ぶ上で参考になります。
※利回りについて詳しくは以下の記事を参照ください。
参照記事:
4.新耐震基準の物件を選ぶ
中古物件には、築年月の違いによって新耐震基準の物件と旧耐震基準の物件があります。
それぞれの耐震基準の違いによって、大地震が来たときに物件が倒壊せずに耐えれるかどうか?地震発生後も不動産投資を継続できるかどうか?が決まりますので、重要な基準になります。
- 1981年5月までに建築確認を受けて施工した物件は旧耐震基準の物件
- 一方、1981年6月以降に建築確認を受けて施工した物件は新耐震基準の物件
旧耐震基準
- 中規模地震が起きても、倒壊・崩壊しないこと
- 震度5強程度の地震がきても建物が倒壊しないような構造基準が設定されている
新耐震基準
- 大規模地震が起きても、倒壊・崩壊しないこと
- 震度6強~7程度の地震がきても建物が倒壊しないような構造基準で設定されている
2018年9月にも北海道でマグニチュード6.7、最大深度7の地震が発生しました。(北海道胆振東部地震)
日本はいつどの地域で大地震が発生してもおかしくない状況であります。
万が一、大地震が発生しても建物倒壊のリスクを回避できるように新耐震基準の物件を選定しましょう。
物件の築年月が1981年6月以降かどうかがポイントになります。※ただし、旧耐震の物件であっても、新耐震基準をクリアするように耐震補強をしたものは○です。
5.室内・建物の修繕履歴を確認する
中古物件は築年数が経過することによって、室内の設備が壊れたり、不具合を起こし、突発的に修繕費用が発生するリスクがあります。
室内の設備とは、換気扇やエアコン、IHコンロ、網戸、水回りの排管等のことです。
設備劣化リスクを事前に理解しておくためにも、賃貸管理会社に問い合わせて、過去の修繕履歴を確認しましょう。
修繕履歴の確認ポイント
- エアコン、ガス給湯器、IHコンロ等の設備の交換時期はいつか?
- クロスの経過年数は何年か?
- 過去どういった設備の交換・修繕を実施したか?
また、可能であれば物件内部の写真も確認しましょう。現入居者が入居する前に、
- どのような内装の状態であったか?
- クロスは綺麗な状態か?
- 浴室やトイレ、キッチンの状態は?
等、事前に部屋内部の状態を写真で目視することで、修繕履歴と照らし合わせ、より明確に設備状況を把握できます。
※室内の修繕履歴について詳しくは、以下の記事をご確認ください。
参照記事:
建物の修繕履歴
また、建物の修繕履歴を確認することも重要です。
建物の管理状況が良いか悪いかで、
- 今後物件に入居者が継続的に付くかどうか?
- 建物の修繕費用をプラスで拠出する必要があるかどうか?
- 建物の寿命が長期的に持つかどうか?
等、不動産投資を長期的に実施する上で重要になるからです。
建物管理会社に問い合わせて、重要事項調査報告書を確認すれば、過去の修繕履歴や現在の修繕積立金の総額、今後の修繕計画等、建物の管理状況が把握できます。
重要事項調査報告書から確認できる内容
- 現在の修繕積立金の総額
- 過去の修繕工事履歴
- 今後の修繕計画
- 管理費・積立金の改定有無
- アスベストの使用の有無
- 耐震診断の有無
等の情報が得られます。
重要調査報告書、建物の外観・内観から判断して、管理状況が悪い物件であれば、入居者が継続的に付かなったり、長期的な不動産投資に悪影響を与えますので、その際は他の建物管理が良好な物件を選定しましょう。
重要事項調査報告書
物件選びを業者にお願いするか?自分で物件を選ぶか?
ここまで解説してきた通り、不動産投資においては物件の選択が極めて重要になります。
じゃあ物件選びはどうやってするかというと、「業者にお願いして情報収集してもらう」か、「ネット等自分で探すか」、のどちらかになると思います。
あなたが不動産業者でないとすれば、情報収集できる範囲は限られてくるので、よりよい物件に出会えない可能性があります。一方で、業者を通して物件選択をすると、業者の売りたい物を「良い悪いは別として」勧められる可能性もあります。
なので、一番重要なことは、よい不動産投資のパートナーを見つけてその業者さんと共に物件選定を行うことです。
そうすることで、不動産業者しか収集できない物件を選ぶことができます。また、あなたが単に不動産業者任せにするのではなくて主体的に選定していくので、疑問点を確認しながらよりよい物件選びができるはずです。
立地環境が優れた最高の物件に出会えることを祈念しています。
弊社では、今回の「不動産投資の物件選びで重要な5つのポイント」を押さえた中古ワンルームマンションをお客様にご提供しています。信頼できる業者さんのあてがない方はぜひ一度お問い合わせください。
あなたの不動産投資のベストパートナーとして最善を尽くさせて頂きます。