サブリースのトラブル

れまで当サイトのいくつかの記事で、サブリースについていくつかの観点から分析して解説してきました(下に一覧表記します)。ここでは、サブリース契約をしたことによって生じる具体的なトラブルの事例について紹介したいと思います。

私はこれまでもお伝えしている通り、基本的にはサブリース契約はあなたにとって最善の選択肢であることは少ないと思っています。

サブリースは、業者が一方的にリスクを負うため、「いつ倒産するかもわからない一業者」に財産の運用権を依存するという大きなリスクがあります。さらに、業者が継続するためには利益があがらなければならず、基本的に大家さんの収入が減ることなどさまざまなリスクが存在します。
※サブリースの基本的な内容について知りたい方は、以下の記事を参照ください。

参照記事:

サブリースとは?意味と仕組みを超わかりやすく簡単に解説しました

サブリースのメリットとトラブル事例

一方で、まったくメリットがないかというとそういうわけではなくて、一定のメリットがあること、その内容も解説しました。

※詳しいことは以下の記事をご覧下さい。

その上で、具体的なトラブルの事例を見ることで、危険性とリスクについてより身近に自分のこととして捉えて、活用すべきか避けるべきか、あなたの頭で考えて頂けたらなと思います。代表的な事例として以下の5つの事例があります。それぞれ簡単に解説しておきます。

  1. サブリース業者の家賃不払い
  2. サブリース契約の打ち切り
  3. 空室の度に免責期間発動
  4. サブリース契約を解約できない
  5. 借り上げ家賃の急落

1.サブリース業者の家賃不払い

家賃の不払い

すでにお伝えしたとおり、サブリースの最大のリスクは、業者から家賃を受け取ることができなくなることです。

例えば、私が知っている事例では、ある賃貸管理会社はお客さんにサブリース契約をしていましたが、ある日を境に家賃を振り込みしなくなりました。入居者はいるので、業者に家賃は入りますが、オーナーへの支払いが滞り、最終的に業者は破産して未払い家賃を回収できなくなりました。しかも、入居者と賃貸契約をしているのは管理業者なので、家賃の振込先を変えるのも大変な作業で難航しました。(振込先が変わるまで、従前の業者に振込がなされたのです!)

こんな事例があります。

中には、2年以上の家賃を泣き寝入りした人も知っています。このように、業者の倒産も当然のことながらリスクですが、それ以前に倒産まではしないとしても、家賃の振込をもらえずに、業者の資金繰りに使われてしまうリスクもあり、契約を変更するのが大変だというようなこともあるわけです。

2.サブリース契約の打ち切り

新築の入居者が簡単に集まる時は正常なサブリース契約をしていましたが、物件が経年劣化して入居者がつきにくくなったタイミングでサブリースを一方的に打ち切られたという人もいます。

新築時に入居者が集まり易いのは当然のことで、その間は家賃と借り上げ金額の間の値差を利益として十分吸い取った挙げ句、入居者を付けるのが大変になって採算性が厳しくなった途端に、サブリース契約を解除したという事例です。

オーナーとしては、単に物件が新しい時期に収益を減らしただけの一方的な損失だったということになります。

3.空室の度に免責期間発動

悪質な業者

通常サブリースというのは、空室リスクを業者が担保するものです(そして代わりに業者リターンとして、家賃の値差を利益として得ることになります)。

ただし契約スタート当初は空室のため、家賃を付けるために募集活動をしなくてはいけません。その間は、業者はまだ何もしていない状況なので、通常免責期間といって、サブリース契約から初家賃までの間1~3ヶ月程度の免責期間を設けることが一般的です。契約スタート当初の空室は、業者には責任はないので、私はこれは真っ当な契約だと思います。

しかし、悪質な賃貸管理業者の中には、入居者が退去して空室が発生した度に、1~3ヶ月の免責期間を設ける業者もあります。これは、オーナーからすれば、サブリースの意味がなくなり、大家さんにとって利益が少なくなり不利となる契約になりますので、注意が必要です。

4.サブリース契約を解約できない

サブリースは、長期的に運用することが、リスクの元ともなり、また利益の元ともなります。

例えば、入居者の入れ替わり時に空室が3ヶ月出たとします。借り上げ家賃の設定が85%だったとすると利幅が15%あることになります。この場合、どれだけ運用すれば空室の損失を補えるかというと、3ヶ月の空室=300%の月額家賃÷15%=20ヶ月で元が取れることになります。

その後は、利益になっていくので、仮にその入居者が5年住んで、途中で2年に1回更新料を支払っていたとすると業者の利益は次の通りになります。

賃料の15%×60ヶ月+賃料の100%×2-賃料の300%=賃料の800%の利益ということになります。

家賃が6万円なら48万円、8万円なら64万円ということになります。

従って、特に入居者がついている時に、業者としては解約されては困るわけで、サブリースの契約書に途中解約の禁止について事項が記載されています。

特に、サブリースの場合は業者が借り手になるので、宅建業法的には貸し手よりも借り手のほうが有利に設定されているので厄介なことになります。

せっかく利益を得るためにリスクを負って不動産投資をしているのに、利益がほとんど業者に取られるといったことになりかねないので、注意が必要です。

5.借り上げ家賃の急落

家賃相場の急落

不動産投資にとって利回りは家賃です。家賃は市場が決めるので、当然のことながら上下します。

例えば、福岡のワンルームマンションの賃料相場は、Jリートの登場でものすごい供給過剰が続いた結果、軒並み大暴落してしまいました。

従って、家賃の下落というのは、不動産オーナーにとっては空室リスクに並ぶ非常に大きなリスクの一つです。そのリスクを回避したいという思いもあって、サブリースを契約する人も多いのですが、家賃相場が下がったことを理由に借り上げ家賃を下げる業者があります。

そもそも契約書に「賃料相場の急激な変動により借り上げ賃料は変更できるものとする」といった条項があったりする場合もありますし、そうでないのに、一方的に家賃を下げられるケースもあります。

そもそも家賃が下がるリスクをヘッジするためにサブリースしたオーナーとしては青天の霹靂です。非常に厄介ですが、残念ながらこういったことも実際に起こっていますので注意が必要です。

サブリースのトラブルに巻き込まれないために

以上、サブリースで実際によく起こる具体的なトラブル事例を紹介してきました。もちろん、業者によってはこういったトラブルがこれまで一切ない業者もあるでしょう。

しかし、これまでトラブルがないからといって、今後もないとは限りません。

例えば、分譲マンションで最大手だったライオンズマンションは、現在はオリックスの傘下に入っています。ダイアパレスブランドで有名だったダイア建設は倒産しました。

このように、大手であっても、ある時突然倒産する可能性があるのも、不動産業者のひとつのリスクです。しっかりと自分のリスクは自分で守る意識をもって、物件経営できればと思います。

大神健志大神健志

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