家賃を滞納して夜逃げされた場合の対処法

居者が家賃を滞納して、さらに夜逃げをした!

基本的にはあってはいけないことですが、長く不動産経営をしていくとどうしても避けては通れないケースもあります。

過去さまざまな滞納や夜逃げの対応、回収経験を元に、不動産管理の達仁が入居者が夜逃げをしてしまった場合の対処法について解説します。

金高 時道金高 時道

賃貸管理は、原理原則通りに取り組んでいけば、回収率は限りなく100%に近づけることができます。ただ、ルールを破って楽をしようとすると足下をすくわれて、回収困難な状況を作ったりするので注意下さい。

普通、夜逃げしない

このご時世、よほどのことがない限り人は夜逃げしません。借金取りなど、誰かから逃げるために夜逃げをする人もいると思いますが、それでも「今住んでいる場所」を捨てて逃げることは希です。

夜逃げといっても、いろいろなケースがあり、理由も方法も千差万別ですが、荷物を一切すべて置いて夜逃げするケースはさらに希です。

もちろん入居者としても、夜逃げすると保証人に迷惑がかかることだってわかっているでしょうし、逃げた先での生活のことも考えるはずです。

なので、通常は夜逃げというのはあまり起こりませんが、夜逃げがあるとするとよほどの理由・事情があると考えてよいでしょう。

家賃滞納時の対応

家賃滞納時の対処法

経済的な問題で夜逃げをする際には、必ず少し前から滞納が発生します。家賃を通常通りに支払わない上に、催促しても回収できない状態に陥ります。

夜逃げする場合は、夜逃げするのに一定の費用がかかりますし、その後の生活もあるためできるだけ家賃を支払わないようにしたり、そもそも家賃を支払う能力が全くない状態になります。

従って、回収は非常に困難になりますが、滞納家賃の回収時の対応が、その後の夜逃げに影響を与えることになります。回収がしっかりと入居者に寄り添った形でできたのであれば、家賃が支払えないから夜逃げすることはなくなるでしょうし、家賃が原因でなく夜逃げする場合についても相談のひとつもあるかもしれません。

家賃回収におけるもっとも大切な肝は人間関係の構築にありますので、少し面倒でも、しっかりと丁寧な対応をされることをオススメします。【参考記事】:家賃滞納された時の対処法

夜逃げ者からの回収

夜逃げをされて行き先がまったくわからなくなり、生死さえもわからない状態になると、入居者から家賃を回収するのは困難になります。

たしかに、入居者は夜逃げしたところで、家賃を支払う義務から逃れることはできません。しっかりと賃貸契約書にもサインをしています。

裁判をして勝訴すれば、差押えをすることもできますが、居場所がわからず財産がどこにあるかわからなければ、裁判で勝って債務名義を取れたとしても、お金を回収することは困難です。

少し大げさなことを書きましたが、つまり入居者が家賃を滞納して夜逃げをすると回収が非常に難しくなるということです。なので、基本的には入居者の夜逃げを未然に防ぐための工夫が必要です。また、それでもどうしても夜逃げを防ぐことができないことはあります。

具体的な回収方法

具体的な回収方法

そんな時は、非常に常套手段になりますが、次の方法をとることからスタートして下さい。

以下、万が一入居者が夜逃げしてしまって家賃の回収が不可能な時に、取るべき対処法を優先順位の高い物から順に紹介します。

詳しくはその下で一つ一つ解説しますが、この回収手段は、優先順位の1番高い方法をやってみてダメなら優先順位2番と、順に取り組まないといけないものであることに注意ください。優先順位3番をやっていないのに、4番をやってはいけないのです。

  1. 連帯保証人・保証会社に請求
  2. 住民票を取得する
  3. 内容証明を打つ
  4. 支払い督促
  5. 少額訴訟
  6. 通常訴訟

それでは、ひとつずつ内容をみていきましょう。

連帯保証人・保証会社を当たる

まずは極めて当たり前のことですが、入居者本人から家賃の回収ができなければ、連帯保証人か保証会社に請求をかけます。連帯保証人は、本人とまったく同等の支払い義務をもっている契約を交わしており、通常保証書に実印をついてもらっているくらいので、正規な請求先になります。

従って、連帯保証人にも堂々と家賃の請求ならびに、原状回復費用等必要となる経費を請求してください。ただし、いくら連帯保証人に支払い義務があるとはいえ、相手は人です。

相手も人寄り添うように

一方的に原状回復をして、未払い家賃といっしょに請求書を送ったのでは、相手も不快に思うでしょう。そうすると、いくら支払う義務がある人だって支払いたくなくなるので、あなたの仕事に対して、こっちは了承していないなどと主張することになります。

結果、返って回収が難しくなるので、請求書を送る前にまずは状況を説明して、連帯保証人に未払い家賃の支払い義務があること、原状回復費用の支払い義務があることなどを解説してください。

その上で、必要となる金額を伝え、原状回復については正確な金額をのちほど必ず見積もりして、支払いの了解を取ってください。そうすることで、トラブルなくお互いに納得のいく形で、家賃と原状回復費用を回収することができることになります。要は納得感を保証人の中に作ってあげて、支払う同意を得ることが重要ということになります。

※保証会社に対して、規定の手続きを杓子定規にするだけで構いません。そこから先は保証会社の仕事になります。

住民票を取得する

連帯保証人や保証会社から回収できたらよいのですが、連帯保証人がいない場合で保証会社を通していない場合、基本的に請求する相手がいなくなるので、入居者からなんとか回収しないといけなくなります。

そうすると、当然、相手の居所を突き止めて、請求をかけることが必要になります。手紙

なので、まずは相手の住民票をとって移転先を探すようにしましょう。ただし、夜逃げする人は夜逃げするくらいなので、すぐには住民票を移さないことが普通です。なので、半年に一度くらいの割合で、住民票をチェックするようにしましょう。

あるいは、転送サービスを利用していることもあるので、手紙を書くのも一つです。その際重要となるのは、請求するぞとか脅すような内容ではなくて、相手に寄り添うような心配な気持ちを表現する形で手紙を書くことが重要です。

※家賃の請求の時効は5年ですので、5年経過しても住民票によって移転先さえ見つけられない場合は、諦めるしかありません。

内容証明を打つ

次に、移転先の住所がわかったら内容証明というものを送ります。内容証明とは、誰がどんな内容の手紙を誰に送って、いつそれを受け取ったかを郵便局が証明をするサービスです。

そこに未払い家賃の請求の旨を記して、送付してください。

内容証明は、単に請求したということを公的に証明する手段でしかなく、何ら回収する手立てにはなりませんが、入居者がビックリして連絡してきたり、支払ってくれる可能性が出てきます。

また相手が家賃の残債を支払う必要があるかどうか迷っているならかなりの効果が見込まれます。

支払い督促

内容証明を打っても連絡が来なくて回収できない場合は、裁判所に申し立てて支払い督促をすることになります。支払い督促は、裁判所が行ってくれて、支払い督促を入居者が受け取って、支払ってくれば問題ないです。

支払い督促

しかし、支払い督促を受け取って意義申し立てをした場合は、民事訴訟になり、家賃の支払い義務がそもそもあるかどうか等法廷で争うことになります。

あるいは、支払い督促を受け取ってもなお返事がない場合は、仮執行宣言が発行されることになり、相手の意義申し立てがなければ、強制執行して、財産の差押えをすることができるようになります。

少額訴訟

入居者の支払うべき金額が30万円の場合は、少額訴訟という形で簡易裁判所に申し立てをすることができます。通常裁判に比べて1回の審理で、結審をもらえるため、回収コストを抑えることができるのが特徴です。

通常訴訟

入居者の支払うべき金額が30万円以上の場合は、通常訴訟を起こすことになります。

しかし、裁判で回収しようとなるとかなりの時間と労力をい必要とする可能性があります。顧問弁護士がいる場合等はまだよいですが、別途弁護士を付けるような場合は、かけるコストや労力と得られる利益を天秤にかけて判断することが必要になります。

未然に夜逃げ、滞納を防ぐために

財産を守る

家賃回収の基本的な考え方とすれば、ここまでもつれないうちにまずは、しっかりと家賃の滞納を未然に防ぐことが必要です。家賃の滞納がなければ、夜逃げもなくなる可能性がぐっと減ります。

従って、一番大切になるのは、家賃の遅れが出た時です。その時に初動を大家としてどうとるか、賃貸管理会社としてどうとるかが非常に重要になるわけです。参照記事:家賃の支払いが遅れる時どうする?

また、万が一夜逃げが発生して、簡単に回収できないような時は、どこまで費用と労力をかけておいかけるかを検討しないといけません。

触れない袖は取れない

もし仮に裁判で勝って判決をもらっても、相手に支払い能力も財産もなければ、差押えするものもなく、回収することはできません。さらに、その相手が破産でもしてしまうものなら、そもそも請求することさえできなくなり、執行文も無意味になります。

もちろん、夜逃げしても回収できるように、連帯保証人や保証会社を通して保全をしておくことは大前提ですが、万が一の場合は、しっかりと採算性も考えて、早めに損切りすることも大切です。

保証人も保証会社も立てずに入居させていたとしたら、それは判断ミスと言わざるを得ませんので、痛い勉強代くらいに考えてもよいかもしれません。

大神 健志大神 健志

その他、家賃の回収のことでお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。プロの賃貸管理技術をフルに活用して、回収方法をご提案します。相談にお金は一銭もかかりません。安心してお問い合わせ下さい。相談方法は、電話でもメールでもフォームでもいずれでも構いませんよ。