家賃滞納

賃貸管理を自分で行っている大家さんの中には、家賃を滞納されて、困った経験をしたことがある方が大勢います。一言で滞納といっても、状況や相手によって、滞納されるパターンはいろいろとあります。私たちが経験的に知っているよくあるのは、次の5つのパターンです。

  1. 基本的には毎月期日通りに支払っているが、たまたまスポットで支払い忘れるパターン
  2. たまに支払い忘れて、期日を超えて支払ってくるパターン(事前連絡あり、なし)
  3. 毎月確実に遅れて支払ってくるパターン
  4. 連絡もなく家賃を支払わない上に、連絡がなかなかとれないパターン
  5. 夜逃げ等で行方不明になって、連絡がまったく取れないパターン

このように家賃滞納には、いろいろなパターンがあり、上から順番に下に向かって、程度がひどいということになります。賃貸管理を30年取り組んでいると、さまざまなパターンを目にします。そして、いろいろな傾向性があることに気づきます。

ここでは、家賃を滞納された際の一般的な対処法と滞納しそうな入居者の特徴や事前にできる滞納対策の方法などについて紹介していきます。

滞納処理でもっとも大切なこと

滞納管理でもっとも大切なこと

まず、家賃を滞納された際にすべき一番大切なことを抑えたいと思います。

それは、「最短での回収」です。

滞納が判明したら、即、回収に動き出します。そして、できるだけ早期に回収することが必要です。というのも、経験的に滞納が発生して、回収が遅れるほど、事態が悪化しやすく高額な滞納につながっていくことになるからです。

考えて見れば当然のことで、家賃というのは、毎月発生するものなので、今月支払うのが困難であるなら、来月もまた支払うのが困難である可能性が高いからです。

なぜ最短回収か

万が一にでも、家賃の滞納が1ヶ月以上経過しようものなら、入居者は2ヶ月分の家賃を支払わなければならないことになります。当然のことながら、1ヶ月分の家賃を支払えない人は、2ヶ月分の家賃を支払うことはできません。

なので、とにかく早い段階で督促して、家賃を回収し、滞納を解消することが必要になります。

ただし、入居者の事情もあると思うので、親身になって話は聞いてあげて、「いついつに支払う」という約束ができるのであれば、それまでは待つべきです。

そして、それが次の家賃の支払い日をまたぐようだと、その後の家賃を支払う当てはあるかしっかりとヒアリングして、どうするかを検討すべきということになります。

入居者から回収できないで次の手段にでるタイミング

次の手

家賃の滞納をされたら、基本的に入居者に督促をして、家賃を支払ってもらうことが原則です。

しかし、延滞が1ヶ月をまたぐ場合で支払う約束が取り付けられない場合や、支払う約束を取り付けていたのに約束を反故にされた場合、あるいは連絡がとれないのが、1週間に3回以上継続する場合は、次のステップへ駒を進めるべきです。

つまり、家賃の保全に動き始めるということです。

家賃を保全する方法

具体的には、賃貸契約した際の連帯保証人に督促をかけるということです。(保証会社を通している場合は即、保証会社に連絡をしてください。保証会社がすぐに家賃を支払った上で、入居者へ督促をしてくれることになります。これは、家賃の滞納があった瞬間に依頼してもよいですが、入居者との関係性を悪くするリスクがありますので、気をつけましょう。)

この入居者以外から家賃を回収した場合で、入居者から連絡がないまま次回の家賃も延滞された場合は、自動的に連帯保証人や家賃保証会社を通して回収していけばOKです。あとは、どこまでそれが続くかをしっかりと見守ることが必要になります。

連帯保証人を使って

連帯保証人であれば、基本的に入居者と連絡が取れると思うので、間に入ってもらって、今後の予定を決めて下さい。つまり、退去するのかそのまま住み続けるのか、いつから入居者本人から家賃を支払ってもらうようになるのかなどです。

家賃保証会社の場合は、すべて家賃保証会社が督促等を行うので、特に気にする必要はなく、逆に家賃保証会社が協力を求めてくれた際に、必要な協力をすればよいことになります。

さらに状況が悪いと、家賃保証会社を入れていない場合で、連帯保証人にも、連絡が取れなかったり、支払いを受けられない場合もあります。その場合は、最終手段にでることになります。

それは何かというと、「支払い督促」と強制退去に向けて法的な手続きに入ることです。

ここから先は、法律に則って、裁判所を通していろいろと手続きしていくことになります。もちろん、自分自身でも手続きできますが、基本的には、賃貸管理会社か弁護士を通して手続きしたほうがよいです。

というのも、内容証明を打ったり、裁判所でさまざまな手続きをしたりと、非常に面倒な手続きをしないといけないからです。また、裁判沙汰にまでならなくても、内容証明だけでも入居者も連帯保証人もビックリして支払ってくることもありますし、弁護士の名前があるとさらに効果的なパターンもあるからです。

支払い督促が重要

流れ的には、きちんと支払い督促していることが証明できる形で、督促をして、それでも支払われない時に、期限を決めて裁判所に支払いの申し立てと退去命令を訴訟することになります。

基本的に法律というのは、弱い者の味方をするというのが根底にあります。

なので、家賃の滞納の場合は、入居者は守られる立場にあり、大家さんが裁判等で支払い督促していくのは、非常に大変なこととなります。なので、しっかりと専門のプロといっしょに家賃回収していくことが必要でしょう。

いずれにせよ、ここまで大きく問題がこじれるのには、大家さんのほうにも原因があります。

その問題とは何か?

私が見ている限りでは、家賃の滞納が発覚した時の初動が遅かったり甘かったり、そもそも入居審査がしっかりとなされていないことなどが上げられます。

しっかりとこれらの基本的な賃貸管理の原則を実行することで、大きなトラブルを抱えて回収にエネルギーを消費することはありません。あくまでも基本的なことを大切にすることが、賃貸管理の基本ということができるでしょう。

賃貸管理方式

賃貸管理方式

このように家賃を滞納される大家さんは、主に、所有しているアパートやマンション、一戸建てをいわゆる「一般管理」してもらっている大家さんたちです。

不動産を賃貸しして、家賃収入を得る大家さんが、不動産を管理する際の方法としては、大きくわけて次の3つの方式があります。

  1. 一般管理
  2. 集金代行管理
  3. サブリース

分譲型のワンルームマンション等を区分所有されている方の多くが集金代行やサブリースで、賃貸管理会社に不動産を管理してもらっているケースが多いです。

しかし、一棟でアパートやマンションを所有している方は、大家業を営む感覚で、客付けだけは不動産会社に依頼して、あとは自分で管理することが多いです。

入居者を探して、仲介してもらう、いわゆる客付けだけを不動産会社に委託して、賃貸管理は自分で行う管理を、「一般管理」と呼びます。

集金代行

一方で、大家さんの代理人として入居者を探して、仲介業者を利用して客付けをして、賃貸管理を代行する賃貸管理方法を「集金代行」と言います。

この方式だと、家賃は大家さんに変わって賃貸管理業者から賃貸管理会社が受け取って、大家さんに振り込むので、大家さんは滞納リスクを負う必要がないですが、逆に、家賃に対して5〜10%程度の手数料を支払う必要性があります。

サブリース

さらに、そもそも不動産自体を借り上げてもらって、入居者がついていようがいまいが、賃貸管理会社が家賃を支払ってくれる管理方式もあります。

それをサブリースといいます。サブリースは、賃貸管理会社が物件を借り上げて、賃貸管理会社が貸し主として入居者を探すので、大家さんは滞納リスクはおろか、空室リスクまで負わなくて済むことになります。

ただし、その分、賃貸管理費用として、家賃相場の20〜30%程度を賃貸管理会社に支払うことになります。また、借り主が賃貸管理業者になって、その業者が又貸しする方式なので、賃貸管理業者が倒産すると家賃収入を得られなくなることにご注意ください。

大神 健志大神 健志

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