「マンション投資に失敗して、借金がたくさん残って困っています。どうしたらよいのでしょうか。」
私たちの元にたまに寄せられる相談です。
平成元年当時世間はバブルの絶頂期にあり、不動産は買えば明日には値上がりする、そんな時代がありました。国土の狭い日本にあって、不動産は有限の資産であり、不変の価値で右肩上がりに価格が上昇する。
世の中の好景気は、勤勉な日本人が頑張ったから起こっているのであって、今後も継続する。そんな淡い期待は、崩れ去り、バブルは脆くも崩壊します。
株価はものすごい勢いで暴落して、不動産の価値は減り、高値買いした人たちが大きな負債を抱えるようになりました。緩んだ金融が多額の融資を許したため、少ない所得なのに複数物件を所有していた人の中には、収支が合わず将来的な値上がり期待もくじかれたこともあり、借金が返済できないで破産した人もたくさんいました。
現代でも無茶な買い方をする人がいる
少し脱線しましたが、そんな時代ならいざ知らず、現代であっても、当時のようなマンション投資の失敗をする人がいるものでしょうか。
実は、身の丈に合わない数のマンションを購入して借金まみれなり、困っている事例をいくつも知っています。
これらのほとんどは、強引で無知なマンション投資の営業マンがいけないことが多いですが、それでも1人の人間として購入の判断をする投資家もそれはそれで問題だったりします。あるいは、誰も悪くないけれど、マンション投資に参入してから転職や退職等で経済情勢が悪化するケースなどもあります。
では、どういう事例があるかというと、次のようなものです.
マンション投資の失敗で借金残る事例
- 投資用マンションを2~4軒同時にローン打診して、審査を通し購入させる。
- 収入を多くあるように見せて(詐称して)、複数物件購入させる。
- キャパシティ内の購入でも、事情により収入が減って支払いがきつくなる
いずれの場合も共通しているのは、現状の収入では、全体のローンの残高が多すぎるということです。たしかに空室にならなければ、入ってくる家賃でローンを支払うことで、投資物件を維持することができると思います。
でも、ひとたび空室になったらどうでしょうか。
空室リスクを吸収しきれるかが争点
ローンの金額にもよりますが、ひとたび空室が発生すると10万円近い出費が毎月重なる可能性もあります。それが1ヶ月、2ヶ月だったらよいですが、最悪数ヶ月にわたることもあると思います。
また、常に空室が1室だけだったらよいですが、万が一2室まとめて空室になったり、あるいは、1室だけの空室が交互に来たり等、少し考えただけでもいくらでもさまざまなリスクを思いつきます。
では、このように過剰に物件を購入してしまい失敗したなと感じた時はどうしたらよいのでしょうか。売却したほうがよいのか、それとも所持し続けたほうがよいのか、どちらがよいのでしょうか。
不動産投資で失敗したどうする?
不動産投資でローンを組んで物件を購入している場合、「あぁ失敗したな、仕方ないから売却して終わらせてしまおう」と思ったとしてもそう簡単にはいきません。
まず、不動作業者から購入した段階で、不動産の価値は減り、ローンの残高の方が不動産の価格よりも多くなることがほとんどです。
従って、万が一不動産を売ろうとすると、ローンを全額返済する必要があるのですが、お金が足らないことになり、数百万円単位で売却するために支払う必要が出てきます。
中古で買ったか新築で買ったかにもよりますし、一棟物か区分か、ワンルームかファミリータイプかにもよりますが、かなり誤差があると思って良いです。
売却イコール即失敗確定となる
そうすると、何もしていないのに単に損をしたということになってしまいますし、そもそもローンと売却価格の差額分の支払いができなければ抵当権を取り外せないので、満足に売却することさえできません。
もっと言えば、逆に、売却に当たって、ローンと売却額の差額を現金で準備するくらい金銭的にゆとりがあるのでしたが、所有し続けるのがよいと思います。不動産は売却してしまって損失が出たら決して二度とその損は取り戻すことはできませんが、地道に運用していけば家賃収入として収益を得続けることができるからです。
あるいは、全部任意売却して、自己破産してスッキリしてしまうのもひとつの手ではあります。(任意整理については、任意売却でスッキリする方法をご参照ください。)
どうするべきか判断するには?
まず、第一に、ローンの残高がいくらあって、管理費含めて支出がいくらで、現状いくら収益が上がっているかを見ます。年間を通すとさらに固定資産税や都市計画税がかかってきますし、修繕費用がかかることもあるでしょう。
次にあなたの収入の状況と預貯金の状況、毎月の収支について検討します。毎月使える余剰資金はいかほどあるのか、万が一の時の蓄えはいくらあるのか。これらを検討してください。
つまり、以下の数値を出して検討することが重要になるわけです。
- ローンの残債
- ローンの毎月の支払い額
- マンションの管理費
- 家賃の総額
- 年間修繕費用
- 固定資産税、都市計画税
- 年収
- 年支出
- 預貯金
- 昇級予定
※ここに記載している事項については、全物件の総額を調べて下さい。
調査したら検討します
これらの数値を出した上で、いったいどの程度物件を保持していけるかをシミュレーションする必要があります。シミュレーションでは、どういう自体に陥るリスクがあって、その場合どうなるかを検討します。(リスクのキャパシティを図り、対策を取ることになります。)
そして、ローンが終わるまでの間に窮地に立たされる可能性がどの程度あるかによって、売るか残すかどうするかを検討しないといけません。場合によっては、所持し続けたほうがよいでしょうし、最悪自己破産してスッキリした方が良いケースもあるでしょう。
いずれにせよ、これは簡単に判断できることではないので、もし不安に思い迷われている方がいらっしゃいましたら、一度お問い合わせください。責任を持って状況分析、シミュレーションして、あなたのお役にたってみせたいと思います。
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