首都圏中古ワンルームマンションは、2002年から2017年にかけて、15年間で取引が11.34倍に増え、中古マンション投資の人気が大変高まっています。
このように中古マンションの流通量が増えている一方で、マンション投資と聞くと「失敗するのではないか?」とイメージを持っている方も中にはいると思います。
インターネットで、”ワンルームマンション投資”と検索すると、検索上位の記事は「ワンルームマンション投資は失敗する」「失敗しないため〇〇なポイント」など、失敗に関わる記事を多く見受けます。
また昨今、新聞やニュースなどで業者の不正問題が取り上げられることが多く、マンション投資はリスクが高くて失敗してしまうイメージが先行しているのも事実だと思います。
しかし、ワンルームマンション経営で豊かに暮らす人が多数いらっしゃるのも動かしがたい事実です。
この記事では、中古ワンルームマンション投資のリスクと、失敗した人の事例、その理由、そして対策まで具体的に解説していきます。
マンション経営をはじめるかどうか迷っている方は、リスクや失敗事例と対策をしっかりと確認して総合的な判断をされてください。
ワンルームマンション投資とは?
ワンルームマンション投資とは、分譲マンションの一室を購入し、人に貸して、家賃収入を得ていく投資です。
マンション投資から得られる収益には、長期安定的に家賃収入を得ていくインカムゲインと、売却益から儲けを得られる、キャピタルゲインの2つがあります。
- 長期安定収入(インカムゲイン)
- 売却益(キャピタルゲイン)
長期安定収入、売却益についてもう少し詳しくご説明します。
長期安定収入(インカムゲイン)
入居者が継続的につくことで、家賃収入を長期安定的に得ることが出来ます。
そのため、ワンルームマンション投資で長期安定収入を得るためには、入居者付けは非常に重要なテーマとなります。
入居者が継続的につくためには、いくつかポイントを押さえる必要があります。
それは、以下のワンルームマンション投資5つの項目を押さえることです。
- 立地と環境
- 部屋の専有面積と間取り
- 室内の差別化
- 建物管理
- 賃貸管理会社
※上記の5つの項目については、当サイトの記事で詳しく説明しています。下記をご参考ください
参考:不動産投資で成功するにはどうしたらよい?中古マンション経営成功の5つの条件
上記5つの項目をしっかり押さえれば、限りなく空室リスクを抑えることが出来ます。
つまり、空室リスクの原因を理解すれば、ある程度リスクのコントロールが出来るということです。そしてそれは、長期安定収入を得ることが出来るの意味します。
売却益(キャピタルゲイン)
マンション価格の高騰により、マンションを売却し、利益を得れることがあります。
1990年代前後は、不動産価格は右肩上がりでしたので、売却益を目的とする投資が主流でした。しかし、バブル崩壊と同時に不動産価格が暴落し、大きな損失を被る投資家が多く生まれました。
現在、ここ5~6年ほど、不動産価格が上がってきて、売却益を得ているマンションオーナーもいます。しかし、不動産価格はさまざまな経済的な要因によって自分ではコントロールできない不確定要素が多く、キャピタルゲインを目的とした不動産投資はリスクが非常に高いのが現状です。
そのため、売却益を目的としたワンルームマンション投資はおススメできません。
※ここでいうリスクとは、「想像した通りに値上がりしないという結果になる」、というリスクのことです。
マンション投資の成功と失敗とは?
そもそも、マンション経営で成功するとか失敗するというのは、どういう状態を指すのか、まずは、マンション投資の成功と失敗について定義します。
「マンション経営の失敗」というのはマンション投資をして損失が確定した状態と定義できます。
運用全期間での収支が赤字で、最終的に物件を売却した際に損失が確定してしまった場合です。
一方、「マンション経営の成功」というのは、マンション投資で利益が確定した状態と定義できます。
運用全期間での収支がプラスとなるか、最終的に物件を売却した際に利益が確定した場合です。
とにかく失敗するのは「売るから」
以上のとおり、ワンルーム投資の失敗が確定するときは、物件を売却した時です。
それ以外で、失敗なんてことは基本的にはありません。しっかりと長期的な視点に経って失敗しないマンション経営計画を立てれば、必ず、利回りの多少の差こそあれ、投資を成功に導くことは可能なはずです。
だから私たちはあえて、マンション投資は、マンション経営だと言っているのです。投資は当たるも八卦、当たらぬも八卦ですが、経営は確実に成功させることができるからです。
リスクはあるが、旨みも大きいマンション経営
このように、マンション経営には怖いイメージを持っている人がいて、実際に投資なのでリスクを抱えたものとなります。
一方で、複数マンションを経営している人は、マンション経営のリスクと上手に付き合って、人によっては、ほとんど毎月出費なく複数物件を運用していて、ローン終了後に毎月30万円の家賃収入を確保している人や、すでにローンがなくて、毎月20万円の家賃収入をもらっている人もいます。
また、私の知っている女性は、ご主人がたくさんマンションを所持していたのに他界されて、今はローンがなくなった家賃収入(団体信用生命保険が下りてローンがなくなった)で悠々自適に生活している方もいます。その方曰く、「本当にマンションのおかげで救われました。もし、主人がマンションをローンで買っていなかったらと思うとぞっとします。」と語ってくれました。
このように、マンション経営は確かに高額な出費やローンを組むなど、リスクを抱える必要になる投資ですが、大きなメリットや魅力もあるものです。
また、そのリスクもしっかりとコントロールできる部分が大きいということができるわけです。
ワンルームマンション投資のメリット・デメリット
具体的な失敗事例を説明する前に、中古マンション投資のメリット・デメリットを簡単におさらいします。
ここでは概要説明に留めますので、詳細は以下の記事を参照ください。
ワンルームマンション経営のメリットとデメリット
まずは、不動産投資の中のマンション投資の中でも、「ワンルームに絞った」ワンルームマンション投資のメリットとデメリットをご確認ください。
メリット
- 年金対策になる
- 資産運用として活用できる
- 生命保険の代わりになる
- 相続対策になる
デメリット
- 申込手続きに一定の期間が必要となる
- 空室リスクがある
- ローン返済額が増えるリスクがある
- 流動性が低い
中古のワンルームマンション投資のメリットデメリット
次に、ワンルームマンション投資の中でも、「中古」のワンルームマンション投資のメリットとデメリットを確認してください。ここで、あえて中古のワンルームマンション投資に絞ってお伝えしているのは、当サイトでは、不動産投資においては、「中古のワンルームマンション」を投資先としてオススメしているからです。
メリット
- 中古マンションは、新築マンションと比べて物件価格が安い
- 物件価格が安いので、利回りが高くなる
- 事前に建物の管理状況や、部屋の修繕履歴を確認できる
デメリット
- 中古なので、築年数や部屋の設備状況によっては設備劣化のリスクがある
- 建物管理が悪い物件は、建物の寿命が短くなってしまう場合がある
これらのマンション経営のメリットとデメリットを踏まえて、継続的に利益を上げていくには、マンション投資のリスクを理解して、リスク回避することが重要になります。
参照記事:
ワンルームマンション投資5つのリスク
ワンルームマンション投資で失敗する原因は、リスクを理解していないこと、そしてリスクを回避するための行動をとっていないこと、この2つが主な原因です。
つまり、リスクをしっかりと把握して「適切な対処をしない」から失敗してしまうということができます。なので、まずはどのようなリスクがあるのか理解しましょう。
その上で、他の不動産業者は決して言わない本当のマンション経営のリスクとは何か、その本質についてまとめたいと思います。
- 購入する物件のリスク
- 空室リスク
- 設備劣化リスク
- 金利上昇リスク
- 将来的な物件売却リスク
それぞれ説明していきます。
※こちらではリスクの概要説明に留めます。詳しくは以下の記事をご確認ください。
参照記事:
1.購入する物件のリスク
これは、一言でいうと収益が上がりにくい物件を購入してしまうリスクです。
不動産が収益を生み出すのは、入居者に選ばれて家賃収入を得られるからです。ところが、のちに解説するような空室になって家賃収入を得られなかったり、さまざまな理由で家賃収入を得られないか、想定よりも安価にしか収入を得られなくなることがあります。
これは、どんな物件を選ぶかによって決まるリスクとなります。
2.空室リスク
前述したように、購入する物件の選定を間違えると、空室リスクが高くなり、家賃収入が安定しなくなります。
特に立地環境が悪い物件、建物の外観や内観に清潔感がない物件は注意が必要です。
参照記事:
マンションは、土地の上に建物が建っていますので、物件を購入したら立地環境条件を変更することはできません。
空室リスクで一番注意する点は、「立地環境」条件です。
※物件リスク、空室リスクの本質
まず、空室になったり、家賃が下落したりするのは、需要と供給のバランスが崩れるからです。
すなわち、所有しているマンションが空き部屋になっている時に、「競合する似たような物件」が「借りたいと思っている人の数」より多い状態になるということです。
需要よりも供給が多いために、「空室が発生」し、競争がはじまるから「家賃が下落する」わけです。
また、マンションを購入した時点では競合がなくても、時間の経過とともに物件が増えていくことがあります。
例えば、福岡のワンルーム市場なんていうのは、一時期リートの物件が一斉に建築されて空室率が激しく上がり、古い物件の売買価格も家賃も暴落しました。このように経年で競合が変わることもあるわけです。
だから、市場の将来への見通しも見通した対策をとることが極めて重要になります。
3.設備劣化リスク
中古マンションでは築年数によって設備劣化リスクを考慮しなければいけません。
室内には、エアコンや給湯器などの設備は、築10~15年すると機器の寿命がきて、設備交換の時期となります。
事前に設備交換の時期や費用について理解していれば良いですが、突発的な設備故障が発生すると、その分支出がかさみますので、収支計画が狂ってしまう場合があります。
以下の表は、設備が故障した際の必要費用の概算です、ご確認ください。
設備の種類と故障した際の必要費用(工事費込み)概算
交換設備 | 必要費用 |
網戸 | 3,000~4,000円 |
換気扇 | 30,000~40,000円 |
IHコンロ | 40,000~50,000円 |
エアコン | 80,000~100,000円 |
給湯器 | 100,000~150,000円 |
電気温水器 | 200,000~300,000円 |
大きく修繕費用がかかる場合もあります
また、競合が増えた場合や需要が減った際、あるいは建物が経年損耗した場合には、内装をリノベーションして価値を上昇することが必要になるケースがあります。
その場合、ワンルームであっても、数百万円単位でお金がかかるケースもあります。
これもひとつのリスクではありますが、将来必ず必要になる投資だと考えて、最初から念頭に入れて投資するとよいでしょう。
※家賃の下落幅を元の戻す行為なので、通常のシミュレーションには含まれないことになります。なぜなら、リノベーションは追加投資なので、そこからどれだけ家賃の上昇が見込めるかを計算することになるからです。
4.金利上昇リスク
マンション投資は、安い物件で数百万円、高い物件では数千万円以上の買い物です。多くの方は融資を受けて、少額の自己資金と借入金を活用します。
ローン契約時の金利は、将来的に変動する可能性があります。
投資用ローンは変動金利が主流です。そのため、金利が上がった際は、支払い利息額が増え、金利が下がった際は支払い利息額が減ります。
金利が下がった際は、返済額が減るので借り手にとっては好条件となりますが、金利が上がった際は返済額が増えるので借り手にとってはリスクとなります。
※投資用ローンについて詳しくは記事もご参照ください。
参照記事:
ローン金利上昇リスクの本質
現在は、歴史上もっとも金利の安い時代です。
バブルの頃は、なんと10パーセントの超え金利も当たり前でした。当時は、家賃と支払いローンの差が大きいのは当たり前で、手出しして当然の時代でした。現在は、ローンの支払いよりも家賃が高くて当たり前なので、この金利のリスクは気にされる方は多いかもしれません。
よくマンション業者は、「金利と景気は連動しているので、金利があがるということは、景気がよくなるということだから、物件価格があがるから問題ない」と言います。
確かに、一理ありますが、家賃についてはバブルのころも今もそんなに大きく変わりませんでした。また、景気がよくなったとしても、不動産価格が上昇するとは限らないのがこれからの時代です。
以上の背景から基本的にローン金利の上昇については、ある程度シミュレーションに入れておくべきだと思います。
万が一金利が5%、8%になった場合に、手出しがいくらくらいになって、不動産投資としての利益をきちんと確保できるかどうか。もし、金利が上昇したら支払えなくなる場合や投資としての利益が得られなくなるようでしたら、その投資に手出しすべきではないということになります。
5.将来的な物件売却リスク
マンションは需要と供給の関係、経済の情勢、地価の上昇・下落といったさまざまな要因で、物件価格が上昇したり、下落したりします。
最近では2018年7月1日に国土交通省が発表した、基準地価の全国平均が27年ぶりに上昇に転じたとのニュースがありました。
参照記事:基準地価のニュース
一方で、バブルの崩壊によって不動産価格が大きく下落したことも歴史的には起こっています。つまり、不動産の価格は上がったり下がったりするので、購入した物件を、安く売却せざるを得ないリスクを抱えることになるということです。
ただし、逆にいうと売却さえしなければ、相場は上がったり下がったりするので、含み損含み益は生まれますが、利益も損失も確定しないことになります。
参照記事:
大切なことは、購入時に、将来を見通して物件を選ばないといけないということです。
例えば、駅から徒歩1分圏内の立地の広さと5分圏内、10分圏内とどのくらい違いがあるかご存じですか。あるいは、都心の不動産価格がどう変遷してきたかご存じですか。これは、ひとつの事例ですが、不動産投資についてのしっかりとした専門的な知識とデータの分析で、このようなリスクはある程度回避・コントロールすることができるわけです。
番外編:火災、自然災害、事故リスク
最後にレアなケースですが、番外編として「火災、自然災害、事故についてのリスク」を追記しておきます。
火災は、入居者が火元になることもあれば、近隣の部屋からもらい火することもあります。また、地震などの天災はもちろんのこと、入居者の自殺や孤独死による腐敗等、「100%確実に防ぐ手立て」というものはありません。
従って、これらは保険で対応するしかないということができます。しっかりと損害保険が準備されているので、気になる方は加入されることをお勧めします。
(ただし、地震については、過去、東日本大震災、阪神大震災でも昭和56年以降の新耐震基準を満たした建築のマンションで倒壊した物件は1件もありません。)
ただし、孤独死や自殺は、ほとんど発生することはありません。実際に、私が30年以上にわたって管理してきた経験の中で起こったのはわずか1件です。
その案件は孤独死でしたが、しっかりと清掃費用を保証会社から頂いて現状回復をして通常よりも10%程度安い金額で「心理的瑕疵あり」(自殺や孤独死など入居者が気にするような事件の発生した部屋であること)物件として募集して、即入居者が決まりました。
不動産は、一度入居者が入れば、その入居者が退去した後は、心理的瑕疵を説明する必要はなくなりますので、通常の物件と変わらなくなります。
リスクは「受容できるかどうか」の見極めが重要
以上のように、リスクについては、不要に心配したり、完全否定したり、隠したり避けたりせずに、真っ向から立ち向かって、どの程度のリスクがあるのかを正確に検討するようにしましょう。
リスクは、しっかりと知って、許容できるかどうかが肝!
そして、しっかりとリスクヘッジをしながら、万が一のリスクも毅然として対応できるように準備しておくことが重要です。
※例えば、先ほどの事故物件についても、自殺や孤独死が起こると、消毒や改装で数百万円単位のお金が必要になります(基本は入居者負担にするように契約していくこと)。しかし、事故物件になっても家賃さえ安くすれば、一定割合で事故を気にしない人がいるので、立地と物件さえよければ、空室に悩むことはありません。
また、家賃は10%程度下落になってしまいますが、一度事故物件として入居者がついたら、その入居者が退去したあとは、事故物件として告知する必要はなくなるので、普通の物件に戻ります。
このようなことも知っているといないのとでは、大きく心持ちが変わります。
事故が発生することによる被害がわからないので、ものすごく怖い気がしてしまうのですが、最大でも賃料の10~20%レベルの損害だとわかれば肝も据わります。しっかりと冷静にリスクをリスクと捉えて、リターンがどれほどかも踏まえて投資判断することが重要で、これはすべての投資や事業で言えることでしょう。
もし、具体的な案件があってもなくても、投資とリスクで不安を抱えている方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。私が丁寧に解説させて頂きます。もちろん相談にお金はかかりませんので、ご安心ください。
中古ワンルームマンション投資の失敗事例
では、いよいよ中古ワンルームマンション投資の失敗事例について解説します。失敗事例としては、概ね5つのパターンがあります。
- 物件の選定ミスから失敗
- 高い金利でローン借入をして失敗
- 設備の修繕費用が増えて失敗
- 賃貸管理会社の対応が怠慢で失敗
- 売却時に物件の資産価値が低く失敗
それぞれ具体例をまじえて解説していきます。
1.物件の選定ミスから失敗
中古ワンルームマンション投資は、物件の選定を間違えると、失敗の確率がかなり上がります。一度物件を購入するとマンション投資で最も重要な立地環境条件の変更ができないからです。
参照記事:
物件の選定を間違える基準は、マンション投資成功の5つの条件に合っているかどうかです。
- (立地環境)駅から立地が遠かったり、都心部へのアクセスが悪かったり、利便性が悪い物件
- (建物管理)建物の管理状態が悪く、外観や内観の清潔感がない物件
- (専有面積)部屋の専有面積が極端に狭く、入居者のニーズがない
- (室内の差別化)室内の設備の利便性が悪かったり、デザインが良くない
参照記事:
立地環境が悪い物件
特に、立地環境は入居者の獲得において最も重要なポイントです。
立地環境条件が悪い物件は、入居者を獲得しにくくなり空室リスクが高くなります。
参照記事:
以下、不動産投資サイトに掲載されている実際の物件を例に示しました。
物件 | 中古ワンルームマンション |
エリア | 都心部 |
立地 | 最寄り駅まで徒歩16分 |
築年数 | 1989年3月 |
専有面積 | 16.64㎡ |
利回り | 10.06% |
家賃収入 | 73,000円/月 |
管理費 | 3,150円/月 |
修繕積立金 | 10,500円/月 |
上記の条件だけでは、ワンルームマンション投資の対象として良いかどうか判断はできませんが、立地が最寄り駅から徒歩16分という点は、マイナスポイントとなってしまいます。(※しかし、駅から遠い立地条件でも、人気のエリアだったり、近くに利便性の良い施設が数おおくあったりすれば、賃貸需要が見込める場合もあります。)
利回りは高いですが、入居者の入れ替わり時に空室期間が長くなって、実質的な利回りが下がってしまう可能性が高くなります。空室期間が長くなって利回りが低下してしまい、投資費用を回収できず失敗してしまうという事例は枚挙にいとまがありません。
空室率4%と30%での収益性の違い
空室リスクが収益性に与える影響について詳しく計算しましたので、以下ご確認ください。
30年間中古ワンルームマンション投資を実施して、空室率が4%と30%での収益性の違いについてです。
物件 | 中古ワンルームマンション |
物件価格 | 7,000,000円 |
家賃収入 | 60,000円 |
管理費 | ▲8,500円 |
修繕積立金 | ▲3,000円 |
ローン返済 | ▲27,600円 |
集金代行手数料 | ▲3,700円 |
月間収支 | 17,200円 |
固定資産税・都市計画税(年間) | ▲42,300円 |
年間収支 | 164,100円 |
条件
- 年間の家賃収入の手取りが164,100円
- マンション投資の期間は30年間
①空室率4%の場合
②空室率30%の場合
③空室率4%と30%の収益性の違い
①、②の空室率の違いにより、この中古ワンルームマンションの物件では30年間で、約127万円の収益性の違いがあります。
空室リスクが高い物件は、収益性が落ちて失敗する確率を高めます。
利回りだけを見て物件を選定
中古ワンルームマンション投資を始めるオーナーの中には「利回り」を最も気にする方もいます。利回りが高ければ、それだけ収益物件として見られるため、重要視する方が多いわけです。
もちろん、継続的に収益を上げていくには、利回りの高さは重要ですが、その利回りを実現するには、安定的な入居者を付けなければ実現できない、ということを忘れてはいけません。
2.高い金利でローン借入をして失敗
ローンの借入条件が悪いと、中古ワンルームマンション投資で失敗する確率が高まります。
投資用のマンションは数百万円~数千万円するので、多くの場合、少額の自己資金とローン借入をして物件を購入します。
ローン借入額も高額になるので、数%金利が異なるだけで、返済額が100万円単位、1,000万円単位で変動します。
金利で返済額が変わる事例
以下の例をご確認ください。
3パターンの金利条件で、2,000万円のローン借入をした事例です。
物件 | 中古ワンルームマンション |
物件価格 | 2,000万円 |
ローン借入 | 2,000万円 |
借入金利 | 1.992%、2.5%、3.0% |
借入期間 | 35年 |
金利1.992%、2.5%、3.0%比較
金利 | ローン返済額 | 返済総額 |
1.992% | 66,200円/月 | 27,791,400円 |
2.5% | 71,500円/月 | 30,029,300円 |
3.0% | 77,000円/月 | 32,327,100円 |
上記の金利差から、金利1.992%~3.0%の違いで、月間収支で約1万円、返済総額で約450万円の差額があります。
わずか1%金利が異なるだけで、収支に与える影響は大きいということができます。
新築ワンルームマンションを高い金利で購入した結果、毎月の持ち出し(家賃とローンの返済額の差がマイナスの状態)が多くて、負担に耐えきれず安価に売却して損をする事例が多々あります。
借入先金融機関の選定ミスから失敗
上記のような金利差が生まれる要因は、金融機関の選定の問題がほとんどです。金融機関によって、ローンの条件は異なりますので、投資物件を選ぶのと同時に金融機関についても選定することが重要です。
参照記事:
3.設備修繕費用が増えて失敗
中古マンションは築年数や部屋内部の設備の使い方によって、設備の劣化具合が異なります。設備の寿命が過ぎても、長く持つこともあれば、早期に壊れる場合もあります。
室内の設備は大体、10~15年で寿命を迎えます。
新築当時から、一度も設備の交換をしていない物件であれば、築10~20年の物件は設備の故障・不具合のリスクがあるでしょう。
一回の設備修繕で、数千円~数万円の費用がかかります。
もし、立て続けに設備が壊れ修繕が必要になれば、収支に影響を与える可能性も十分あります。
4.賃貸管理会社の対応が怠慢で失敗
賃貸管理会社は本来、マンションオーナーが成功するための良きパートナーです。
- 空室になれば、入居者をいち早く付ける
- 物件が空室の際も定期的に部屋の清掃をする
- 部屋内部の設備が故障したら早急に対応する
- 家賃をアップさせてオーナーの収益を上げるために、リフォームやリノベーションの提案をする
等、賃貸管理会社にはさまざまな役割があります。
しかし、中には怠慢な業者もいます。
- 入居者の入れ替わり時の対応が遅い
- 物件の管理を全くしない
- 物件の空室期間に全く清掃をしていないので、部屋内に汚れが溜まろ入居者が決まらない
- 設備の修繕をして、事後報告でオーナーに連絡する
といったケースも散見されます。
結果、空室期間が長くなったり、物件の価値が低下してしまったりして、投資として失敗するケースがあります。
賃貸管理会社が怠慢であれば、せっかく良い物件を所有していても、管理会社が足を引っ張り収益を最大化できない場合があるどころか、損失さえも与えかねないことになります。
5.売却時に物件の資産価値が低くて失敗
物件を売却した際に、マンション投資の成功か失敗が確定します。
物件の資産価値が低ければ、売却時に安い価格でしか売れずに、利益を残せない場合があります。
実際に、さまざまな事情で物件を手放さざるを得なくなった際に、売却価格が安価で損してしまうケースが多々あります。
もちろん、マンション経営は所有し続けることを前提にした投資ですが、状況によって売却せざるを得ないオーナー様も出てくるものです。その際に、できるだけ高額に売却できる物件が、よい物件ということができるはずです。
資産価値が低い物件とは?
資産価値の低い物件とは、マンション投資成功の5つの条件を押さえていない物件です。
- 立地環境の条件が悪い
- 建物管理状態が悪い
- 専有面積が極端に狭い
- 室内の設備が入居者ニーズに合っていない
上記のような物件は、売却時の評価が低くなる可能性が高いです。つまり、物件購入時の選定が極めて重要になるということです。
中古ワンルームマンション投資の失敗理由
以上の失敗事例からまとめると、中古ワンルームマンション投資の失敗理由は3つです。
- 購入する物件の選定ミス
- 借入先金融機関の選定ミス
- 賃貸管理会社の選定ミス
1.購入する物件の選定ミス
マンション投資5つの条件から外れ、購入する物件の選定を間違えると、収益に繋がりにくくなってしまいます。
- 空室リスクが高まる
- 設備の劣化から修繕が必要になる
- 物件売却時に希望価格で売却できなくなる
マンション投資を実施してから、失敗する要因がさまざま出てきます。
2.借入先金融機関の選定ミス
ローンの借入先金融機関の選択を間違えれば、支出が増えて利益を残すことが難しくなります。
- 借入金利が上がり、返済総額が増える
借入先金融機関を間違えると、ローン返済額が増えて、収益化が難しくなります。
3.賃貸管理会社の選定ミス
賃貸管理会社の選択を間違えると、管理会社の怠慢さに足を引っ張られ、負担が増えてしまいます。
- 入居者から解約通知をもらっているのに、一向に新規の入居者を募集しない
- 空室時の物件清掃をしないので、部屋にほこりやゴミがたまって、部屋の印象が悪くなる
賃貸管理会社はオーナーの代わりに物件を管理する重要な存在なので、選択を間違えると失敗する確率は上がります。
中古ワンルームマンション投資で失敗しないためには?
では、中古ワンルームマンション投資で失敗しないためには、どうすれば良いのか?
それは、以下の3点を押さえることです。
- 物件の選定
- 金融機関の選定
- 業者選び
1.物件の選定
物件選定の重要性については繰り返し説明しました。
マンション投資成功の5つの条件を押さえて物件を選べば、まず失敗する確率は限りなく抑えられます。
改めて以下5つの条件を押さえてください。詳しくは参照記事をご確認ください。
- 立地環境
- 建物管理
- 専有面積
- 室内の差別化
- 賃貸管理会社
参照記事:
2.金融機関の選定
あなたの個人属性に合った借入先金融機関から、融資を受ければ好条件で借入ができます。好条件の金融機関は、審査が厳しいこともあります。
なので、金融機関から融資を受ける場合は以下の点を押さえておきましょう。
- 個人の属性評価
- 物件の収益性
- 物件の資産価値
上記の3つは、金融機関から借入する際に審査する項目です。
例えば、年収400万円~、500万円~、勤続3年以上、といった審査する上で最低限クリアしないといけない条件もあります。
詳しくは以下の記事で説明していますので、ご一読ください。
参照記事:
上記の物件の選定、ローンの借入、この2つの条件がそろえば、8割は成功まで近づいたようなものです。
3.業者選び
そして、最後に信用できる業者を選ぶことが重要です。
そもそも信用できる業者と付き合うことが出来れば、物件も金融機関もよい条件で探してくれます。
最近は預金通帳を業者が改ざんして、不正融資を働いたり、お客様の信用を失うようなことをしている業者もいます。
あなたが取引する業者が信用できるかできないか?しっかり見極めないといけません。
- 誠実な対応をしているか
- 嘘をつかないか
- レスポンスが早く、スピーディな対応をしてくれるか
- 質問したことに対して、明確に返答してくれるか
- メリットだけでなくデメリットも明確に教えてくれるか
等、信用できる業者かどうかをしっかり見極めましょう。
参照記事:
ワンルームマンション投資で成功するためには
ここまでワンルームマンション投資でなぜ失敗するのか?その理由と、ワンルームマンション投資5つのリスクについてご説明しました。
では実際、ワンルームマンション投資で成功するためにはどうすれば良いのか?について解説していきます。
ワンルームマンション投資で成功するためには、以下の点を押さえることです。
- リスクを正しく理解して、対策を講じる
- 信用できる業者からワンルームマンションを購入する
1.リスクを正しく理解して、対策を講じる
前述したリスクを自分自身で理解し、事前に回避し、対策を講じることでワンルームマンション投資で成功する確率が高まります。
まずは、5つのリスクが具体的にどういうことなのかをご理解ください。その上で、対策を講じる必要があります。
リスクへの対策
- 空室になりにくい物件を選定する(賃貸重要エリア、立地と環境、専有面積と間取り、室内の差別化、建物管理、賃貸管理会社、各項目を押さえること)→物件と空室リのスク
- 突発的な設備故障に対応できるように、費用の事前シミュレーションを行う(また、設備が交換されている物件を選ぶ、リノベーション物件を選ぶ)→設備劣化リスク
- できるだけ低い金利でローン借入をする(個人の属性評価、物件の資産価値、物件の収益性、3項目を押さえる)→金利上昇リスク
- 資産価値が落ちにくい物件を選ぶ(賃貸需要が見込めるエリアの選定、立地と環境を良い条件)→資産価値下落リスク
それぞれの対策については以下の各記事をご参考ください。詳しいリスクへの対策方法を記載しています。
以上のように、まずはリスクを理解→対策の実行、このプロセスを踏むことで、ワンルームマンション投資が一気に成功に近づきます。
2.信用できる業者からワンルームマンションを購入する
先ほども書きましたが世の中には、さまざまな不動産業者があります。投資用のワンルームマンションを専門に販売している会社、賃貸仲介をしている会社、賃貸管理・建物管理を中心にしている会社など、業態もさまざまです。
また、投資用のワンルームマンションを販売している会社の中でも、中古マンション、新築マンションと会社ごとで販売物件が異なります。
そのため、数ある不動産業者の中から、信用できる業者を選ぶのはそう簡単ではありません。
特に、ワンルームマンション投資の経験が浅い方は、業者選びに頭を悩ませると思います。その数ある業者がある中で、不動産業者を選ぶ基準としては以下の3点を押さえることです。
- 担当者の質
- 論理に根拠を持って説明していること
- 物件の管理体制が整っていること
※ここでは概要のみの説明に留めます。詳しくは以下の「信用できる不動産業者の選び方」の記事をご参考ください。
参考記事:信用できる不動産業者の選び方
それぞれ説明します。
担当者の質
担当者個人の能力の違いによって、その業者を信用できるかどうかを判断することが出来ます。
当然ですが、嘘をつかないこと、約束を守ること、質問に正確に答えること、問題解決能力があること、専門知識があること。といった要素は、担当者として質が高いことを表しています。
一方で、質の低い担当者は、嘘をつくこと、約束を破ること、質問に曖昧に答えること、問題解決能力がないこと、専門知識が不足していること。といったところに特徴があります。
質の高い担当者を選ぶことで、信用できる業者を見極めることができます。
論理に根拠を持って説明していること
業者が説明している内容の論理に根拠があれば、信用できるかどうかの判断基準となります。
例えば「この物件を購入すれば、長期安定的に家賃収入が入ってきます。」と言われても、その根拠を明確に伝えられなけば、それは物件を購入して、長期安定的に家賃収入が入ってくるための、理由がないということになります。
つまりそれは、信用できない業者と言えます。
一方で、論理的な根拠を持って説明してくる業者の言っていることは、根拠があるわけなので信用できます。
根拠を持った業者を選ぶことが重要です。
物件の管理体制が整っていること
ワンルームマンション投資では、物件を購入した後、管理をしっかり行っていかなければ、資産価値が落ちます。
外観がサビて古くなったり、設備の劣化が早くなり、マンションとしての価値がどんどん下がっていきます。そして、古くなり、資産価値が下がったマンションには入居者は住もうと思いません。
そのため、資産価値を維持・向上させる、入居者が長期的につくためにも、物件の管理体制が整っていることは非常に重要です。
まとめ
ここまで、中古マンション投資におけるリスクと失敗事例、その対処法とマンション経営で成功する方法について解説しました。
マンション投資は、高額なので成功するか失敗するかで、人生に与える影響はものすごく大きなものとなります。
なので、この記事をしっかりと読んでください。
一度や二度読んだだけではきっと理解できないところもあるはずです。何度も何度も読んで、腑に落としてからマンション経営をスタートさせてください。
もし、本気でマンション投資を成功させたい!絶対に失敗したくない!と思われるのでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。
この記事でも書きましたが、よい業者と出会うことで、ここに書いたすべてのリスクを排除することができ、当然失敗する可能性を極限まで下げることができます。
私たちが、しっかりとレクチャーしますのでお気軽にお電話、メールください。
問い合わせは無料で、お金は一切かかりません。