私が前職時代、マンション投資の営業マンから話を聞いて、その話を友人にしたところ、「マンション投資は危険だから辞めた方が良いよ」と、言われた経験がありました。
よくよく話を聞いてみると、「マンション投資ってリスクがあって危ないよ」とか「マンション投資をして、借金を返せなくなったって話も聞くしね」など、マンション投資がなぜ危険なのか?明確な理由はなかったのですが、本や雑誌、インターネット、テレビなどいろいろな不動産投資の情報を見たり聞いたりして、マンション投資=危険、というようなイメージを持っているそうでした。
最近は、金融機関が不正融資をはたらいたり、収益が上がらず不動産会社が倒産したりと、あまり良いニュースを聞かないので、マンション投資は危険なのでは?と不安に思っている方も少なからずいると思います。
この記事では、それら、マンション投資が危険と言われる背景やリスク、リスク対策について詳しく説明していきます。
マンション投資が危険と言われるのはなぜか?
マンション投資のニュースや新聞、ネット情報などの中には、
- マンション投資失敗の実例が載っていたり
- 実際にマンション投資で失敗した人の話を聞いたり
- 業者の不正問題がニュースで取り上げられたり
といった、マイナスな情報が含まれているケースも少なくありません。
(※ここでいう失敗の定義とは、毎月の手取り収入が赤字で、その状態が継続していたり、マンションを売却して、最終的に損失が確定したケースを言います。)
業者の不正問題で言えば、スルガ銀行の問題は有名で、最近では毎週ニュースや新聞で取り上げられています。詳しくは以下の記事を参照ください。
スルガ銀行不正融資問題 参照記事:
これだけ情報がありふれている中で、マンション投資についてあまり詳しくない方が、これらの情報を見たり聞いたりしたときに、「マンション投資って危険そう、、」という印象を持つのも、ある面では仕方のないことだと思います。
更に、悪い話は人づてに回るのが早いもので、人から人へと情報伝達されていきます。
マンション投資について全く無知な方でさえ、それらの情報だけで判断して「マンション投資って危ないのか!」というイメージを持ってしまうケースもあります。
このように、世間にあふれている情報とその情報が人から人への伝達されて、「マンション投資は危険そう、、」というイメージが広がっているのだと思います。
マンション投資5つのリスク
これら世間にあふれる情報の中で、マンション投資に失敗している方の事例を見たり聞いたりする機会もあると思います。
マンション投資で失敗しているケースのほとんどは、事前にリスクを理解していない、リスク回避できていないことが要因となって失敗しています。
そのマンション投資のリスクとは以下の5つです。
- 購入する物件のリスク
- 空室リスク
- 金利上昇リスク
- 設備劣化リスク
- 将来的な物件売却リスク
それぞれ概要を説明していきます。
1.購入する物件のリスク
これは一言でいうと、マンション投資の入り口で、収益が上がりにくい物件を購入してしまうリスクです。
マンション投資は毎月の家賃収入から、さまざまな経費を引いた、手取り収入を増やして、長期的に資産を形成していく投資です。
さまざまな経費とは、管理費・修繕積立金、集金代行手数料、ローン返済、固定資産税などのランニングコストのことです。
そのため、月間・年間の収入を増やして必要経費を押さえて、手取り収入を増やしていく必要があります。
収入を安定して増やしていくには、空室リスクを抑えること、そしてローン借入金利を抑えることと、設備の修繕費用を押さえることが重要になります。
※詳しくは以下のリスクの項で説明していきます。
購入する物件のリスクが高い、つまり空室リスクが高かったり、設備劣化リスクが高い物件だったりすると、手取り収入が安定しなくなってしまいます。
例えば、物件の立地環境が悪く、入居者がなかなか付かない物件であれば、家賃収入は安定しませんし、中古物件で購入直後に、部屋内部の設備が故障して修繕費が数十万円発生すれば、突発的な出費となってしまいます。
物件を選定する際は、リスクを最小限に抑えて、入居者を継続的に付けるためにマンション投資成功の5つの条件を押さえる必要があります。
※物件の選定について詳しくは、以下の記事を参照ください。
参照記事:
2.空室リスク
物件の選定を間違えると、空室リスクで収益がなかなか上がらないという問題が発生してしまいます。
例えば、高い利回りの中古物件を購入しても、立地環境条件の悪さから、入居者がなかなか付かず、一度入居者が退去すると、数ヶ月、数年、空室となったり、入退去の頻度が多くそのたびに空室に悩まされたり、といった相談をいただくこともあります。
空室リスクの最も大きな原因としては、前述した「購入する物件の選定を間違っている」ことが最も大きな原因です。この間違っている、というのは入居者から選ばれない、ニーズを満たしていない、ということです。
購入する物件の選定条件は以下の記事で説明しています。
参照記事:
空室率の違いによる収益差の計算
家賃収入はマンションオーナーの収入源なので、空室は直接収益に影響を受けます。
以下をご確認ください。
中古ワンルームマンションを所有して、空室率が4%と30%の場合の収益差を算出しています。
物件条件、家賃収入と支出の条件は以下の通りです
条件
- 年間の家賃収入の手取りが164,100円
- マンション経営の期間は30年間
物件条件
物件 | 中古ワンルームマンション |
物件エリア | 都心部 |
マンション価格 | 7,000,000円 |
頭金 | 1,000,000円 |
諸費用 | 800,000円 |
ローン借入 | 6,000,000円 |
金利 | 2.70% |
ローン期間 | 25年 |
家賃収入と支出の詳細
家賃収入 | 60,000円 |
管理費 | ▲8,500円 |
修繕積立金 | ▲3,000円 |
ローン返済 | ▲27,600円 |
集金代行手数料 | ▲3,700円 |
毎月手取り | 17,200円 |
固定資産税・都市計画税(年間) | ▲42,300円 |
年間手取り | 164,100円 |
表面利回り | 10.28% |
実質利回り | 9.11% |
※▲は毎月・年間の支出項目です
①空室率4%の場合
②空室率30%の場合
③空室率4%と30%の収益性の違い
①、②の空室率の違いにより、上記の物件で、30年間中古マンション経営を続けた結果、約127万円の収益差があります。
空室リスクの違いにより、マンション投資の収益に大きな影響を与えることがわかると思います。
3.設備劣化リスク
物件選定時、設備の劣化についても気を付けなければいけません。
設備劣化リスクとは、物件部屋内部の設備が壊れたり、不具合が発生し、修繕費用が発生するリスクのことです。
部屋内部の設備は基本的にオーナー所有のものなので、ガス給湯器が壊れたり、IHコンロが壊れたり、換気扇が壊れたり、といった事象が発生した場合には、修繕が必要になります。
以下の表は設備が故障した際の必要費用の概算になっています。
設備の種類と故障した際の必要費用(工事費込み)概算
交換設備 | 必要費用 |
網戸 | 3,000~4,000円 |
換気扇 | 30,000~40,000円 |
IHコンロ | 40,000~50,000円 |
エアコン | 80,000~100,000円 |
給湯器 | 100,000~150,000円 |
電気温水器 | 200,000~300,000円 |
部屋内部の設備は大体、10~15年ほどで寿命がきます。
そのため、築10~15年くらいの中古物件で購入時から一度も設備を交換していないような物件があれば、購入後、設備が故障する可能性があります。
事前に設備の交換費用がどれくらい必要になるのかシミュレーションして、その必要費用を準備しておけば、何か突発的な設備不良が起きても対処可能です。
4.金利上昇リスク
マンションは物件価格が数百万円~数千万円するので、多くの方は金融機関から投資用ローンの借入をして、少額の自己資金でマンション投資を始めます。
(※中には、地方の物件で100万円代や200万円代の物件もあるので、現金一括で購入される方もいます)
ローンの借入をしますので、金利が関わってきます。
借入時の金利条件は各金融機関によって変わってきますが、多くのケースで金利上昇リスクについては考慮しておかなければいけません。
ローン借入金利の仕組みは、固定金利と変動金利、2種類の金利から成り立っています。
固定金利は契約時の金利条件が変わらない金利、変動金利は金利が上昇した場合に、契約時の条件から金利が上がる仕組みになっています。一方、金利が下がれば、契約時の金利も下がる仕組みとなっています。
投資用ローンは変動金利が主流であります。
そのため、金利が上昇した場合、返済利息額が増え、将来的に金利が上昇した場合はリスクとなるのです。
現在は、低金利で投資用ローンを借りるにしても非常に好条件でありますが、将来的に金利が上昇する可能性もあります。
将来的な金利上昇リスクに備えるためには、余裕資金を繰上げ返済にまわすことをお薦めします。
繰上げ返済すれば、返済利息額が減り、返済期間を短縮したり、毎月のローン返済額を減らすことが出来ます。
※投資用ローンについて詳しくは記事もご参照ください。
参照記事:
5.将来的な物件売却リスク
マンションは需要と供給の関係、また地価の上昇・下落といったさまざまな要因が背景となり、物件価格が上昇したり、下落したりします。
1990年代バブル期は土地や不動産を買って、価格が上がったら売る、という売却益で儲ける手法が多くありました。(企業は本業で売上を上げるよりも、不動産投資をした方が利益が上がるということで、財テクに走る傾向も多くありました)
供給する不動産物件に対して、買い手、需要が非常に多くなり、また経済も活発になり価格もどんどん上がっていきました。
しかし、当時の大蔵省と日本銀行はこの以上な経済状況を押さえるために、不動産投資、土地を購入する人への借入を規制する総量規制と金利の引き上げを行い、不動産投資への融資を抑制しました。
その結果、不動産への資金がピタリと止まり、需要が減り、売却益で儲かろうと思っていた人の中には、物件を売るにしても買い手が付かなかったり、売れたとしても買値よりもはるかに低い金額で売ることになったり、といった状況となりました。
そして、一気に不動産価格は下落しました。
また、最近では2018年7月1日に国土交通省が発表した、基準地価の全国平均が27年ぶりに上昇に転じたとのニュースがありました。
参照記事:基準地価のニュース
地方で経済が活発になったり、不動産投資の人気が高まったり、訪日外国人観光客が増えたり、といったさまざまな経済活動が背景として考えられます。
このように、不動産価格はその時の経済状況や需要と供給のバランスによって、上昇したり下落したりします。
将来的にこのまま、マンション価格が上がっていくか?また下がっていくのか?この辺りを明確に予測するのは正直難しいところです。あくまで予想でしかありません。
そのため、将来的に売却して利益を得る、という方は売却時に物件価格が下がっている可能性もあるのでリスクがあります。
以上のような、物件を売却して利益を得るのは難しいところですので、マンション投資では家賃収入から安定的に収益を得ていく手法が最も効果的に資産を形成していく方法だと言えます。
リスクを事前回避して成功を引き寄せる!
以上のように、マンション投資には5つのリスクがあります。
しかし、それらリスクがある中で、リスク回避して、マンション投資で成功している人が数多くいるのも事実です。
ここでいう成功とは、月間・年間の家賃収入から支出を引いた手取り収入がプラスで継続している状態、更に、物件を売却してトータルの手取り収入と売却益から利益が出ている状態のことを指します。
マンション投資には、上記で説明した以下のリスクがあるのですが、
- 購入する物件のリスク
- 空室リスク
- 金利上昇リスク
- 設備劣化リスク
- 将来的な物件売却リスク
事前にリスク回避するとは、以下を実践することです。
- 物件の選定時は、立地環境・建物管理は必ず好条件のものを選定すること
- 個人属性に最も合った金融機関から、ローン借入を行うこと
- 繰上げ返済をして、ローン返済期間を出来るだけ圧縮すること
- 物件購入前に、賃貸管理会社に事前に連絡をして、使用している設備、設備の使用期間、寿命時期を確認すること
- 売却益を目的としたマンション投資をしないこと
以下の記事でも詳しく説明しているので、一度ご確認ください。
参照記事
マンション投資で成功するためには、
- 物件を購入する際の入り口で、物件選定を間違えないこと
- 個人属性に最も合った金融機関からローン借入を行うこと
- マンション経営期間は、出来るだけローン返済を早め収益物件を目指すこと
以上のようなリスク回避をして、収益を最大化することで成功を引き寄せることが出来るのです。
まとめ
以上、なぜマンション投資で危険と言われるのか?その背景やマンション投資のリスク、リスク回避について説明しました。
リスクを理解して、事前回避すれば成功も十分可能だということをご理解いただけましたでしょうか?
成功の条件を押さえた、マンション投資についてもう少し詳しく知りたい、マンション投資で資産形成して、成功したい!と一歩前に踏み出したい方は、お気軽にお問い合わせください。
私たちマンション投資のコンサルタントが全力でサポートさせていただきます。