ワンルームマンション投資には、空室・設備劣化・金利上昇など、さまざまなリスクが潜んでいます。
リスクを知らないままマンション投資を始めると、入居率が悪い物件を購入することになったり、突発的な設備修繕から収支計画が狂ったり、後から問題が発生してしまいます。その結果「失敗してしまった。。」となりかねません。
一方、事前にリスクを理解した上で取り組めば、後から問題が発生することは少なくなり、より低いリスクで効果的に資産形成が出来ます。
そのため、リスクを理解することは、ワンルームマンション投資をする上で非常に重要なことになります。
この記事では、ワンルームマンション投資のリスクと失敗、そしてリスクを回避する具体的な方法について説明していきます。
ワンルームマンション投資のリスクと失敗について
ワンルームマンション投資で「失敗」とは、月間・年間の収支が赤字で、最終的に物件を売却した際に、損失が確定する状態です。
ワンルームマンション投資の目的は、年金対策のため、資産形成のため、さまざまありますが、目的を果たすには、投資した資金に対して、どれだけプラスの利益を残すことができるかが重要になります。
ワンルームマンション投資は、マンションを購入しそれを人に貸して、家賃収入を得る投資です。
物件を選定し、融資を受けて物件を購入し、入居者を付けて、家賃収入を得る。そして、設備が劣化し故障すれば、設備の交換が必要になる。そして、最終的には買い手を探して物件を売却する。
このようにマンションを運用して最終的に売却する流れの中で、さまざまな要素が絡み合っています。
継続的に利益を上げていくには、「マンションを運用していく中でどのようなリスクがあり、どうやってリスクを回避すれば良いのか?」と考え、リスク回避することが重要になります。
ワンルームマンション投資5つのリスク
ワンルームマンション投資で失敗する原因は、リスクを理解していないこと、そしてリスクを回避するための行動をとっていないこと、この2つが主な原因です。
そのため、まずはどのようなリスクがあるのか理解しましょう。
ワンルームマンション投資のリスクは5つあります。
- 購入する物件のリスク
- 空室リスク
- 設備劣化リスク
- 金利上昇リスク
- 将来的な物件売却リスク
それぞれ説明していきます。
※こちらではリスクの概要説明に留めます。詳しくは当サイト、以下の参照記事でご確認ください。
参照記事:
1.購入する物件のリスク
これは、一言でいうと収益が上がりにくい物件を購入してしまうリスクです。
ワンルームマンション投資で利益を上げていく仕組みは、
「①入居者を付けて→②家賃収入が入ってきて→③管理費・修繕積立金、ローン返済等の支出があり→④手取り収入となる」
上記の流れであり、まずは①の入居者を継続的に付けることが重要になります。
当然、入居者は自分のニーズに合った物件を選択しますので、購入する物件が入居者ニーズから外れている場合は入居率が下がってしまいます。
また、物件の建物の管理状態が悪ければ、資産価値がどんどん落ちていきますので、建物の寿命も短くなってしまいます。
このように、購入する物件にはさまざまなリスクがあるので、物件を購入してからマンションを運用していく中で、どのようなリスクがあるか?事前に把握しておかなければいけません。
またリスクが高い物件であれば、違う物件を検討するのも一つの選択肢です。
2.空室リスク
前述したように、購入する物件の選定を間違えると、空室リスクが高くなり、家賃収入が安定しなくなります。
特に立地環境が悪い物件、建物の外観や内観に清潔感がない物件は注意が必要です。
参照記事:
マンションは、土地の上に建物が建っていますので、物件を購入したら立地環境条件を変更することはできません。
空室リスクで一番注意する点は、「立地環境」条件です。
3.設備劣化リスク
新築マンションでは、あまりありませんが、中古マンションでは築年数によって設備劣化リスクを考慮しなければいけません。
部屋内部の設備は、築10~15年すると機器の寿命がきて、設備交換の時期となります。
事前に設備交換の時期や費用について理解していれば良いですが、突発的な設備故障が発生すると、その分支出がかさみますので、収支計画が狂ってしまう場合があります。
以下の表は、設備が故障した際の必要費用の概算です、ご確認ください。
設備の種類と故障した際の必要費用(工事費込み)概算
交換設備 | 必要費用 |
網戸 | 3,000~4,000円 |
換気扇 | 30,000~40,000円 |
IHコンロ | 40,000~50,000円 |
エアコン | 80,000~100,000円 |
給湯器 | 100,000~150,000円 |
電気温水器 | 200,000~300,000円 |
4.金利上昇リスク
マンションは、安い物件で数百万円、そして高い物件では数千万円以上はするので、多くの方は現金一括で購入するのではなく、融資を受けて、少額の自己資金と借入資金でワンルームマンション投資を始めます。
ローン契約時の金利は、将来的に変動する可能性があります。
投資用ローンは変動金利が主流です。そのため、金利が上がった際は、返済利息額が増え、金利が下がった際は返済利息額が減ります。
金利が下がった際は、返済額が減るので借り手にとっては好条件でありますが、金利が上がった際は返済額が増えるので借り手にとってはリスクとなります。
※投資用ローンについて詳しくは記事もご参照ください。
参照記事:
5.将来的な物件売却リスク
マンションは需要と供給の関係、また地価の上昇・下落といったさまざまな要因が背景となり、物件価格が上昇したり、下落したりします。
最近では2018年7月1日に国土交通省が発表した、基準地価の全国平均が27年ぶりに上昇に転じたとのニュースがありました。
参照記事:基準地価のニュース
地方で経済が活発になったり、不動産投資の人気が高まったり、訪日外国人観光客が増えたり、といったさまざまな経済活動が背景として考えられます。
経済の活発化や、不動産投資の人気、地価の上昇、といった外的な要因はコントロールできませんが、どのような物件を購入するか?という点はあなたがコントロールできる部分です。
以下の記事で、どのような物件を選べば良いのか?基準を示していますので、ご確認ください。
参照記事:
物件を購入する入り口で、1.で説明した入居者の需要が見込めない、立地環境が悪い物件や建物の管理状態が悪い物件を選定すると、将来的な物件売却リスクは高くなります。
リスクまとめ
以下、ワンルームマンション投資5つのリスクをまとめました。
- 購入する物件のリスク
- 空室リスク
- 設備劣化リスク
- 金利上昇リスク
- 将来的な物件売却リスク
失敗してしまう人とは?
ワンルームマンション投資で失敗してしまう人は、上記のようなリスクを知らない状態で実践して、後になって問題が発生して、収支が回らなくなり、物件を売却して損失が確定した。そういったパターンで失敗してしまう場合があります。
以下、実際の物件例を元に、具体的に説明していきます。
物件情報
- 物件エリア:福岡市中央区、大濠公園駅近くの物件
- 築年月:1991年3月
- 総戸数56戸
- 地上7階建て
- 鉄筋コンクリート造
以下、建物の外観・内観、設備の写真です。
劣化したインターフォン
消火器が設置されていない
変色した共用部の壁
排管の錆び
避難ハッチの腐食・錆び
ワンルームマンション投資は、立地環境の条件が重要と言いますが、同じくらい重要な要素に建物管理があります。
重要な理由として、2つあります。
- 入居を決める第一印象
- 資産価値の維持
1.入居を決める第一印象
入居者は物件を内見する際にまず物件の外観や内観が目に入ります。
そこで、外観や内観が錆びて汚れていたり、暗い雰囲気の物件ではせっかく希望していたお部屋でも、第一印象が悪くなり申込に繋がる確率が下がってしまいます。
入居者目線で考えて第一印象が非常に重要なのです。
2.資産価値の維持
マンションは、実物資産で常に雨風にさらされてるものなので、メンテナンスをしていかないと資産価値がみるみる下落していきます。
資産価値が下落すれば、マンションの寿命が短くなり、家賃収入を得られる期間が短くなってしまいます。
更に、将来物件を売却する際に希望価格よりも安値で売却、となる可能性もあります。
上記の写真は、築27年の物件ですが、何もメンテナンスしない状況が続けば、どれくらい物件の資産価値が保たれるでしょうか。
予測ですが、何もメンテナンスをしなければ、資産価値が下がり、外観もさらに悪くなり、入居率が更に悪くなると予想できます。
購入する物件のリスクを理解していなければ、上記のような物件を購入して、失敗してしまう可能性はあります。
信用できない業者に任せて失敗
更に信用できない業者に任せて失敗、ということ例も多くあります。
不動産業界は正直なところ、モラルが低い業界であります。
2018年は、かぼちゃの馬車、シェアハウス投資サブリース賃料支払い停止、サブリース会社倒産を皮切りに、スルガ銀行の不正融資問題、TATERUの預金通帳の改ざんなど、業者側のさまざまな問題がありました。
マンション投資を始めて実践する方で知識や経験が少なければ、業者の説明を鵜呑みにしてしまうケースもあります。
お客様は、ワンルームマンション投資を始めて継続に資産形成をしたい、年金対策をしたい、そういった目的がありますが、物件を売って、売上・利益を上げること、お客様がマンション投資で成功するかどうかは関係ない、という売上主義の業者がいるのも事実です。
リスクがある物件を薦められても、素人の立場からすると何が正しくて正しくないのか?判断基準がわからないので、業者任せになってしまう。購入後、ふたを開けてみれば、全く収益が見込めない物件であった。
このような要因で失敗してしまう場合もあります。
ワンルームマンション投資はリスクを回避できる
以上のように、リスクまたは信用できない業者に任せて失敗、というケースがありますが、リスクを事前に理解しておけば回避できます。
リスクを事前に把握して、回避するためには具体的に以下のようなことを実践するのが良いでしょう。
- 購入する物件のリスクを回避するために、マンション経営5つの条件を押さえた物件を購入すること
- 設備劣化リスクを回避するために、事前に賃貸管理会社に問い合わせて、部屋内部の設備の使用期間を確認する。もし、使用期間が10~15年経過していれば、設備故障に対応できる資金を用意しておくこと。また、設備劣化リスクが高い場合は違う物件を検討すること
- 金利上昇リスクに対応するために、年間50万円、60万円といった金額を明確に決めて、ボーナスを毎回繰上げ返済に充てる、繰上げ返済の計画を立てること
- 売却時の資産価値低下を抑えるために、購入する物件はマンション経営5つの条件を必ず押さえること
まとめ
以上、ワンルームマンション投資のリスクと失敗、そしてリスクを回避するための具体的な実践項目について説明しました。
改めて、5つのリスクをまとめました。
- 購入する物件のリスク
- 空室リスク
- 設備劣化リスク
- 金利上昇リスク
- 将来的な物件売却リスク

まずは5つのリスクを理解して、その上でリスクを回避するための具体的な行動を実践しましょう。
もし、お問い合わせいただければ、弊社がワンルームマンション投資のリスクを事前に回避するために「具体的にどのようなことを実践しているのか?」その方法をお伝えします。
相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。