不動産投資の成功は、エリア選びで90%決まります。
なぜならその地域の将来性、すなわち将来人口や経済発展の見通しが非常に重要だからです。
そのような意味で現在、福岡市は都市としての魅力や成長性が高く評価されており、不動産投資家からも人気の都市として注目を集めています。
しかしそんな福岡でも、不動産投資で失敗してしまう事例があります。
これから福岡で不動産投資を考える方のなかには、「失敗する事例やどのようなリスクがあるのか、事前に知っておきたい」と思われる方もいることでしょう。
この記事では、福岡で不動産投資を考えている方に向けて、福岡の地域性の特徴や、不動産投資で失敗する事例、失敗しないためにどのような対策を実施すれば良いのか?ということについて詳しく説明していきます。
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※合わせて以下の記事も参照ください。
参照記事:
地域性が不動産投資に与える影響について
不動産投資が成功するかどうかは、その地域の将来性や地域性、人口増減などの要因が深く関わってきます。
人が多く集まれば、お金も集まり、経済が発展します。そして経済が発展していくと、雇用が生まれ、また人が集まる、という好循環が生まれます。そうすると、おのずと賃貸需要が生まれます。
人口増加により賃貸需要が増えていけば、当然空室が少なくなり安定的に家賃収入を得ることができます。
どこ地域の物件を選ぶのかは、成功するか失敗するかの大きな分かれ道となります。
ちなみに弊社の「成功」の定義は、①月間・年間の収支がプラスの状態 ②最終的に物件を売却した時、(売却価格+これまでの回収家賃)-購入価格がプラスになっている状態のことです。
一方、不動産投資で失敗するというのはその逆で、月間・年間の収支がマイナスで、物件を売却した時に損失が出る状態です。
福岡の地域性は?
福岡(福岡市)は、その地域性から今後の成長性が見込まれる都市として評価されています。
そういった情報を事前に知っていれば、「どのエリアの物件を買えば良いのか?」「どんな物件を購入すれば良いのか?」といった判断をする際に役に立ちます。
福岡市の地域性や特性について以下4点挙げていますので、ご確認ください。
- 若者の人口増加
- 経済発展
- 将来性
- 住みやすさ
若者の人口増加
平成27年の国勢調査によると、10~20代の若者の割合が政令都市で一位となっています。
(参照記事:福岡市の人口統計)
単身者である10~20代の若者が多い、または増えているということは、必然的にワンルームマンションの需要が見込めるということです。
経済発展
福岡市は現在、経済発展に力を入れています。
特に官民を挙げて2015年に発足した「天神ビックバン」は、天神エリアのビル30棟を建て替える一大プロジェクトとして大きな注目を集めていまます。天神ビックバン完了後の2025年には、雇用者数が39,900人(2015年)から2.4倍の98,100人まで増えると予測されています。(福岡市PR動画より)。
雇用が増えれば当然そのエリア周辺に住む人も増え、結果として賃貸需要が増えていきます。特に、前項で述べた働き盛りの若者が増えていくので、単身用のワンルームのニーズも高まるのです。
これから経済発展が見込まれるエリアというのは、不動産投資において好条件となります。
将来性
福岡市は、野村総合研究所の国内100都市を対象にした「成長可能性都市総合ランキング」において、第2位を獲得しました。
(参照記事:株式会社野村総合研究所データ)
また同調査において、将来のポテンシャルにおいては全国1位と評価されました。職住近接の暮らしやすさ、創業・イノベーションを後押しする地域性が特に評価されているようです。
経済が発展し人口が増加していけば、賃貸需要が見込める地域として魅力が高まります。
住みやすさ
福岡市の住みやすさは、世界のさまざまなレポートで高く評価されています。
国連ハビタット『都市と国土計画国際ガイドライン』
英国情報誌『モノクル』
森財団『世界の都市総合力ランキング』 など
共通して評価されているのは、職住近接であり、中心地・博多駅から福岡空港まで地下鉄6分の抜群のアクセスを誇る「コンパクトシティ」である点です。
中心地である博多区・中央区(天神)は、全国展開している上場企業や大手企業の支店、官公庁が多く集まっている、ビジネス街です。また同じエリアにはデパートやショッピング施設、ホテル、屋台などが数多くあり、若者に人気の街です。
また、30分ほどの距離で行けるレジャースポットも多く、アウトレットモール、海水浴場、自然のアクティビティなど、週末は若者や家族連れで賑わっています。
住みやすさ、立地環境条件は不動産投資をする上で必須の条件です。
福岡市の地域性まとめ
以上のように福岡は全国の都市の中でも将来性が高く、不動産投資の好条件がそろっています。
しかしそんな中、不動産投資で失敗している人がいるのも事実です。
どのような事例で失敗してしまうのか?失敗事例について確認していきましょう。
福岡の不動産投資で失敗してしまう事例について
福岡で不動産投資をして失敗してしまう事例を以下3つ挙げました。
- 新築ワンルームマンション投資で失敗
- 物件の選定エリアを間違えて失敗
- 建物管理が悪い物件を選定して失敗
1.新築ワンルームマション投資で失敗
福岡には、新築ワンルームマンションを販売している会社がいくつかあります。えん(エンクレスト)、コーセーアールイー(グランフォーレ)、ランディック(アソシア)、ダイナ(サヴォイ)、ネスト(ネストピア)、クレコーポレーション(アクタス)、シャープラン(アクアシティ)、福住(サニークレスト)、ロイズ(レジデンシャル)などが有名ですね。
これらの新築ワンルームマンションは価格が1,700万円~2,000万円はするので、ほとんどの方が金融機関からローンを組んで始めます。
ローンの審査に通るためには、上場会社や大手企業、公務員など、勤務先の「属性」が良い必要があります。(※借入先金融機関によって、審査基準は異なります。)
前述の「住みやすさ」でもお話ししたとおり、天神、博多といったエリアには上場会社や大手企業、官公庁が多く集まっており、属性評価が高いビジネスマンの方が多くいます。新築ワンルーム業者は、そういった方々をターゲットにして販売しているのです。
例に挙げた業者は、地元での知名度も高いため、初めて不動産投資の話を聞いた方でも社名を聞いて安心したりします。
そして、「年金対策になる」「資産運用になる」「生命保険の代わりになる」「節税になる」「自己資金は少額で始められる」といった、不動産投資のメリットを聞いて、よく理解しないまま「なんとなく」新築ワンルームマンションを購入してしまいます。
新築マンションは入居者に人気が高く、購入後5年ほどは設備の故障リスクも低いため、安心できるというメリットがあります。
しかし、物件価格が中古マンションと比べても約3割~4割ほど高くなり、利回りが低くなってしまう、といった決定的なデメリットもあるのです。
以下の表で、福岡の新築マンションと中古マンションの実例を比較しました。
新築マンションと中古マンションの比較
新築マンション | 中古マンション | |
築年数 | 新築 | 12年 |
物件立地 | 駅から徒歩5分 | 駅から徒歩7分 |
販売価格 | 19,300,000円 | 10,400,000円 |
ローン借入額 | 19,200,000円(頭金10万円) | 10,300,000円(頭金10万円) |
家賃 | 68,000円 | 52,000円 |
毎月の返済額 | △63,215円 | △33,072円 |
管理費・修繕積立金・集金代行費 | △13,036円 | △10,580円 |
表面利回り | 4.22% | 6.00% |
毎月の収支 | ▲8,251円 | +8,348円 |
ここで注目頂きたいのが、中古マンションの金額は新築の53.8%ですが、家賃は新築の76.4%だということです。つまり、物件価格に比べて家賃の値下がりはゆるやかで、そのぶん毎月の手取りと利回りが上がるということです。その差はなんと毎月8,348円-(-8,251円)=16,599円にもなります。
物件価格が高ければ、当然ローンの借入額も多くなり、月間・年間の収支が悪化してしまいます。投資した資金を回収するのも、中古マンションと比べると長期に渡ります。
不動産投資は、投資した資金に対して、どれだけリターンを得られるか?投資対効果が非常に重要になります。
新築マンションと中古マンションの違いについては、以下の記事を参照ください。
参照記事:不動産投資で新築マンションではなく・中古マンションを選ぶワケ
家賃が下落し収支が悪化
実は新築マンションは、2人目以降の家賃が下落していきます。
これをワンルーム業界では「新築プレミアム」といいます。つまり1人目の家賃が一番高く、それ以降は中古ワンルームの家賃相場まで徐々に下落してしまうのです。目安としては10年以内に10%、10~20年以内に20%家賃が下落していきます(立地や物件の質によって変わります)。
ここでポイントなのは、家賃が下落しても毎月のローン返済額や管理費・修繕積立金の支払い額は変わらないので、月を追うごとに収支が悪化し、手出しが増えていきます。
以下、実際の新築マンションの物件で家賃下落率を考慮した月間・年間の収支を示しました。
新築ワンルームの月間収支
家賃収入 | 68,000円 |
ローン返済額 | ▲63,215円 |
賃貸管理費 | ▲4,536円 |
管理費・修繕積立金 | ▲8,500円 |
月間収支 | ▲8,251円 |
新築ワンルームの家賃下落率を考慮した月間・年間の収支
新築時家賃 | 家賃下落率10% | 家賃下落率20% | |
家賃 | 68,000円 | 61,200円 | 54,400円 |
月間収支 | ▲8,251円 | ▲15,051円 | ▲21,851円 |
※年間の固定資産税の支出は含んでおりません
もし仮に上記表のように家賃が下落していけば、10年~20年後には年間約260,000円(21,851円×12ヵ月)の手出しとなる、可能性があります。
以上のように、新築マンションの物件価格と家賃下落率から、失敗してしまう事例は多くあります。
2.物件の選定エリアを間違えて失敗
福岡市は、人口増加が続いている地域ではありますが、ミクロな視点で見ていくと、賃貸需要が見込める地域と見込めない地域があります。
前述したように、博多区や中央区、特に地下鉄空港線の博多駅~大濠公園駅、西鉄大牟田線の天神~平尾駅沿いは人気のエリアです。
一方で前述のエリアから外れると、賃貸需要が下がります。特に、城南区や早良区はどちらかというとファミリー層や自家用車を所有している単身者が住むようなエリアで、徒歩10分以上も歩かなければいけない物件も多いため、都心で働く単身者には敬遠されてしまいます。
バスや自転車があるから大丈夫と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、いずれにしても単身者に人気のある物件を選んだほうがベターです。
お分かりだと思いますが、マンションは購入後にその場所から動かすことは出来ません。「不動産投資の成功は、購入時に90%決まる」と言われるように、逆に立地を間違うと、空室リスクと家賃下落リスクが高まり、取り返しのつかない失敗を招きます。
3.建物管理が悪い物件を選定して失敗
不動産投資を長期的に成功させるには、立地も重要ですが、それと同じぐらい建物管理状態が良い物件を選ぶのも重要です。
多くの場合入居者は、まず立地環境で物件を検索し、家賃額と室内の写真などを見て、気に入れば実際に見てみよう、と行動します。
ところが実際に現地に足を運び、最初に目に入るのは建物の外観です。そこからエントランス、廊下を通り、室内に行きますよね。つまり、第一印象の「見た目」が良くないと、どんなに室内がおしゃれでリフォームされていても申し込みには至りません。女性の方は特にこの点を重視します。
建物資産価値の低下
また、資産価値を長期的に維持していく観点からも建物管理は非常に重要です。
マンション寿命は、それぞれの物件で異なりますが、鉄筋コンクリートの場合だと約60年、管理状態が良ければ80年は持つと言われています。つまりそれは、60年~80年にわたり継続的に収益を得られる可能性がある、ということです。
しかしマンションは実物資産です。時間の経過とともに、外観や内観が劣化していきます。60年~80年持つといっても、管理状態が悪ければ60年も経ずに寿命が終わり、到底人が住めるような状態ではない物件もあります。
実例紹介
実際に弊社が1年ほど前に管理組合から依頼を受け、管理をスタートした物件の例をご紹介します。
- 物件エリア:福岡市中央区
- 築年月:1991年3月
- 総戸数16戸
- 地上7階建て
- 鉄筋コンクリート造
- 最寄り駅から徒歩5分
立地環境は非常に良いのですが、建物管理が悲惨な状態でした。
以下、建物の実際の写真です。
劣化したインターフォン
消火器が設置されていない
変色した共用部の壁
排管の錆び
避難ハッチの腐食・錆び
- 入口のオートロックが古く、鍵も廃盤となっているため、カギ交換に手間がかかる
- 共用部の壁の色が変色して、淀んでいる。
- 駐輪場に放置自転車やバイクが数年以上前から放置されている。
- 各部屋の避難ハッチ腐食、一部使用できないものがあり、火災等で人命にかかわる危険がある
等、非常に問題がありました。
上記のような管理状態の物件をそのまま放置しておくと、入居率が下がり、資産価値が下がるだけでなく、最悪の場合入居者の命に係わります。
建物管理が悪い、建物管理会社が真っ当な仕事をしていないような物件を選んでしまうと、不動産投資で成功することはありません。
福岡の不動産投資で失敗しないためには
では不動産投資で失敗しない、成功するためにはどうすれば良いか?以下の内容を実践してください。
- 中古ワンルームマンション投資を実施する
- 福岡市内でもエリアを絞って、物件を選定する
- 建物の管理状態が良い物件を選定する
1.中古ワンルームマンション投資を実施する
前述したように、中古マンションは、新築マンションと比べて、価格が約3割~4割ほど安くなります。
中古マンションは物件によって、新築マンションの価格の半分以下で購入が可能です。
前述した新築マンションと中古マンションの比較を再度以下に示しました。
新築マンション | 中古マンション | |
築年数 | 新築 | 12年 |
物件立地 | 駅から徒歩5分 | 駅から徒歩7分 |
販売価格 | 19,300,000円 | 10,400,000円 |
ローン借入額 | 19,200,000円(頭金10万円) | 10,300,000円(頭金10万円) |
家賃 | 68,000円 | 52,000円 |
毎月の返済額 | △63,215円 | △33,072円 |
管理費・修繕積立金・集金代行費 | △13,036円 | △10,580円 |
表面利回り | 4.22% | 6.00% |
毎月の収支 | ▲8,251円 | +8,348円 |
※年間の固定資産税の支出は含んでおりません
上記例の、新築マンションの物件価格が1,930万円なので、ほぼ同じ値段で2室購入できることになります。
新築マンションと中古マンションの収益性比較
では次は、収益性を比較してみます。
※収益性の比較をわかりやすくするため、ローンの借入はしない条件のもと計算をしています。
新築マンション、中古マンションの比較
新築マンション | 中古マンション | |
販売価格 | 19,300,000円 | 10,400,000円 |
家賃 | 68,000円 | 52,000円 |
管理費等 | ▲13,036円 | ▲10,580円 |
月間収支 | 54,964円 | 41,420円 |
年間収支 | 659,568円 | 497,040円 |
※年間の固定資産税の支出は含んでおりません
上記の例で新築マンション1室と中古マンション2室の収益性を比較します。
①新築マンション1室の年間収支
- 659,568円
②中古マンション2室の年間収支
- 497,040円×2室=994,080円
③新築マンション1室、中古マンション2室、収益性の比較
659,568円÷994,080円=1.5倍
新築マンション1室と比較して、中古マンション2室は収益性が約1.5倍、高くなります。
この例で、もしあなたがマンション投資を始める際、同じ2,000万円近い金額を出すとして、新築マンション1室購入するか、中古マンション2室購入するか、どちらを選択するでしょうか?
以上のことから、福岡では中古ワンルームマンション投資をおすすめします。
2.福岡市内でもエリアを絞って、物件を選定する
福岡市の中で人口増加と面積当たりに占める人口密度が最も高いのは中央区です。逆に人口密度が低く人口増加が低いのが西区や早良区です。
また、大濠公園の天神側のエリアは落ち着いたカフェや、若者に人気の居酒屋が多いので、20代~30代までの単身者にとっては人気のエリアとして有名です。
中央区の南側に位置する薬院や平尾は、治安が良い場所で、落ち着いた雰囲気であるため、20代~30代の女性に人気のエリアとなっています。
福岡市の立地環境から、以下のエリアの物件選定をおススメします。
- その中でも地下鉄空港線の博多駅~大濠公園駅の間、西鉄「天神、大濠公園といった人気エリアへのアクセスが良い、物件
- その中でも、地下鉄空港線の博多駅~大濠公園駅の間、または西鉄大牟田線の天神駅~平尾駅の間
- 最寄駅から徒歩10分以内、7分以内がベスト
中古ワンルームマンションを選定する際は、以下の記事内容を参考にして選ぶと非常に成功への確率が上がります。
参照記事:
3.建物の管理状態が良い物件を選定する
以下の基準に沿って、物件を選定してください。
- 外観を見て、錆びや汚れが少なく、清潔感がある
- 廊下や階段が清掃されていて、清潔感がある
- 消火器や避難用ハッチなど、入居者の命に係わる設備がしっかり整っている
- 出来るだけテレビ付きモニターフォンのセキュリティが整っている物件を選定する(特に女性はセキュリティ面を気にするため)
また裏技ですが、一般客のフリをして建物管理会社に電話をしてみるのもオススメです。
実際の建物が良く、管理会社の対応が良い物件を選定しましょう。
まとめ
今回説明した、不動産投資で失敗してしまう事例は以下の3つです。
- 新築ワンルームマンション投資で失敗
- 物件の選定エリアを間違えて失敗
- 建物管理が悪い物件を選定して失敗
そして、福岡で不動産投資をする場合に失敗を避ける、成功に近づくためには、以下3つを実践することです。
- 中古ワンルームマンション投資を実施する
- 福岡市内でもエリアを絞って、物件を選定する
- 建物の管理状態が良い物件を選定する
その他の不動産投資の失敗事例や、実際にどういった物件を選定した方が良いか?詳しく話をお聞きになりたい方はお気軽にお問い合わせください。
ご相談は無料です、弊社の福岡中古ワンルームマンション投資の成功事例や「このエリアの、この物件がおススメ」という具体的な情報をお届けします。